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3国(+1)の話し合い

(プルルルル、プルルルル)


「ん?」


 連絡用の端末が鳴っている、誰からだろう?


「はい、もしもし?」


「雪白君かね?」


 目が覚めた。こいつがかけてくるなんて何事だろうか。


「そうですよ。それでいったい何の用ですか?」


「これから政府高官の宿で話し合いがあるのだが参加してほしいのだ」


「話し合いの内容は?」


「昨日のことだ」


「わかった、今からそっちに行く」


「待っているぞ」


 それで通信は終わった。影縫の解析は僕も一応やりはしたが政府の人間がなにか発見しているかもしれない。言って損はないだろう。


「それじゃあ土の下から出ますかね」




 アイツに見つからないように土の下で寝ていたために言われた場所まで着くのに少し時間がかかってしまった。このことで何か言われるかもしれないと気を付けながら案内された部屋の扉を開ける。


「どうも遅れましたか?」


「いやまだ始まってないから気にしないでおくれ」


「では黒羽さんこれで全員がそろいましたね」


「そうですな、始めるとしましょうか」


 僕をわざわざ待っていたようだ。このことを後で使われないうちに何かしておこうか。


「その前に盗聴対策をしてもいいですか?万が一話が漏れると大変でしょうから」


「頼んでもいいのか?」


「はい。ではもしこの部屋の話を盗聴させているなら部屋に呼ぶかやめさせてくださいね。僕の術式は強力なので」


「そのような人はいないと言っておくわよ」


「王国もそのようなことはしていません」


「私がする必要がないこともわかるだろう?」


「では部屋に迎撃術式を組みますね」


 各国の代表のような立場の3人がそう言うんだから、この部屋の話を聞こうとしている人は別の誰かということだね。まあ遠慮する必要もないからどうなっても構わないか。


「はい、終わりました」


「すまんな、そんなことをやってもらって」


「別に大したことではないので。ところでそこにいる一高の参加者たちはどうしてここに?」


「透それについては私が。彼女たちは卒業後私たちのギルドに参加しますので今回は私たちがどんなことをやるか見学させるために呼びました」


「………悠が入団させたの?」


「はい、そうですが何か問題でも?彼女たちが有能なのは分かっているでしょう?」


「いや、たしかにそうだけど………まあがんばってね」


 悠は分かっていないみたいだな。これについては僕も教えていなかったから連帯責任になりそうだな。


「それでは改めて話し合いを始めさせてもらうよ。まずは私から報告だがあの融合体、仮にキメラと呼ばせてもらうがアレについてわかったことは何もない。残念ながら最初のセキュリティさえも突破できなかった」


「しかし昨日そこの生徒は解析ができていたみたいですけど、それがこの国の政府にはできないんですか?」


「それについて何も言い返すことはできない」


 あれ?そんなにこの国に所属している技術者はダメだったっけ?


「そんな国にこのことをまかせてはいられないと私は考えるわ。王国はどう思う?」


「そうですね、私は雪白君の技術力などを知らないので何とも言えませんね。今の時代、5歳の子供が国を滅ぼしかけることもありますから年齢で判断するのは難しいでしょう」


「確かにそうね。それじゃあアンタいったいどれほどのことができるのか教えなさい」


 やけにユーラシア連合の聖剣使いは威圧的だな。そんな聞き方で教えてもらえると思っているのだろうか。


「それを教える必要はないと判断します」


「なんですって!!ギルドに所属しているからって調子に乗っているんじゃないわよ。連合で活動できないようにするわよ!!」


 連合の土地は世界が変わった今でもかなりの面積を持っている。それを使えるから強気なのかな?


「そうですか、わかりました。では言われたとおりに僕たちのギルドはユーラシア連合にかかわらないようにしますね」


「えっ!?」


「申し訳ありません雪白さん。それを決める前にあなたの所属しているギルドの名前を教えてもらえませんか?」


 上手くフォローされたな、もう少しでワーノルドさんの慌てた顔が見れるかと思ったのに。しかしこの名前は出したくなかったんだけどな。


「僕たちが所属しているギルドは『みんなでワイワイはしゃぎ隊』です」


 一瞬の静寂


「………ふざけてんの?」


「いえ、真面目ですよ。残念ながら」


 ギルドマスターのネーミングのなさが悪いんです。


「本当ですかっ!!」


「うわっ!?」


 びっくりした!!なんでこの人こんなに興奮してるの?


「本当にあのギルドなんですか?あの『名前も実力もふざけてる』『変態国家』『あいつら人間じゃねえよマジで』の異名を持つあのギルドの一員なんですか?」


 ひさしぶりに聞いたなその呼び名。しかし僕たちのギルドはその成果とは異なって知名度は低いほうなんだけどよく知ってるな。


「えっとクレセントさん。そのギルドってすごいんですか?」


「すごいも何も団員は全員が聖剣使いで今まで攻略したダンジョンは数知れず。死の島国と言われる旧アメリカを笑いながら歩くほどの実力者ぞろいです!!」


「そんなにっ!?」


「ああここでその一員と会えるなんて感動です!!サインもらえませんか?」


 ………この人はまともだと思っていたんだけどな。

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