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白の会議 副題 登場から1話と少しでさようなら

 殺そう、あんなことを言うアイツは生かしておけない。


 冷静になれ、いま殺しに行くとこちらの被害も少なくない。


 被害がどうした、そんなものはどうでもいい


 それはだめだよ、僕はそんなことをさせるわけにはいかない。


 そうですね、誰かにつくすためには自分を優先しないといけない。


 どうでもいいよ、結局みんな死ぬんだから。


 そういうことで今回は殺さない、それが決定だ。






 結論が出たか。まあ今回はダメだとしてもまだ機会はあるから気楽にいこう。とりあえず今回の元凶のあのバカみたいな男にはそれ相応の報いを受けてもらおうか。

 しかし殺気を出してしまったのは失敗だな。もっと自分を抑えられるようにならないと。


「答えろ雪白っ!!」


 アレは雑音、アレは雑音。いま僕のやることは今回の事件の解決、そのためにはあの転移の聖剣が邪魔だ。影縫は暴走が収まったせいか魔道具としての力は使えないようだ。


「君が答えなくても僕は力ずくでも聞き出すぞ!!」


 よし、ワールドエンドの力で聖剣の力を無効化してみるか。あの力は聖剣に対しては少し弱まるけどそれでも十分だろう。


「僕が10秒数えるまでに答えろ!!」


「よし、それじゃあさっさと終わらせようか」


「おい君、さっきから彼が話しかけているんだが答えてあげないのか?」


「何のことか僕にはわからないね。雑音が聞こえるけど別に気になるほどでもないし」


「雪白っ!!きちんと答えろ!!」


「行くよ、《滅ぶ世界(ワールドエンド)》」


「何か結界を張ったようだが無駄だよ。私の聖剣はいつでも好きな場所へ行くことができるのさ。まさに権力と自由を備えた私にふさわしい聖剣だ」


「それならこちらも遠慮なく。『黒札』100枚展開、赤の術式《紅龍》」


 やけに自信満々に答えられたので、かすっただけで焼け落ちる術式を放つ。万が一のことを考えて直撃しても死なないように狙う。結果は




「さあ《移せファントム》。どうした早く私を転移させ………ああああああああ!!熱い、手が、ああああああああああああ!!」


 聖剣の力が発動せずに右手と右足を失った。この術式のいいところは傷口を焼くので出血を防ぐことができることだ。生きてさえいれば情報を取り出す手段はいくらでもあるのだが、こういう場合はなかなか相手を生かしておくような術式がないので本当に重宝するのだ。


「どういうことだ、俺も聖剣がつかえねえ。雪白いったい何をしやがった!?」


「自分の手の内を敵にばらす奴はいないよ。何もわからないまま君たちは終わるんだ」


「それは困りますねえ」


 ん?影縫から別の声がでた?そんな機能付けていたかなあ?


「どうもみなさん。私は影縫を改造した天才科学者でございます。どうやらあなた方は予想以上の強さを持っているようなので私も全力で相手をさせていただきます」


 あなた方というか僕しか戦ってないのだけど。なんだろう影縫を手に入れた組織には人の話を聞かないやつしかいないのだろうか。


「それでは私の作った人造聖剣よ。その力を解き放ちなさい!!」


 ずいぶんとノリのよさそうな人だなあと思ってしまったがいま起こっていることはそんな軽いことではなかった。影縫が僕に使わせようとした聖剣の失敗作、あれが影縫とバカ(転移の聖剣)を引き寄せ混ざっている。彼らの使っている聖剣2本は何の変化もないが2人はミンチといった感じだ。影縫には機械が使われているせいで余計気持ち悪い見た目になっている。


 あ、勇者の取り巻きが何人か耐えられずにやっちゃってる。女の子としてあれはどうなのかなあと思う反面、こう考えるのも差別なのかと考えてしまう。とりあえず感想はここまでにしてあの合体が終わる前にとどめを刺そうか。


「《紅龍》」


 僕から放たれた紅龍はなんの邪魔もなく彼らに当たり………何も変わらず合体を続けていた。


「!?」


 驚いた。まさか燃えるどころか焦げた跡もないとは。しかもよく考えるとあれらは僕の聖剣の力を受けていてあんなことはできないはずなのだ。


 これは厄介だな。

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