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白の怒り 夢の内心

「ああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


 影縫は叫びながら僕に切り付けてくる。それを何とか防ぎながらこれからどうするかを考える。僕が使っている聖剣が影縫のものより強いことを理解した瞬間に彼は暴走し始めた。そのせいで彼の本来の実力と聖剣の力が合わさりかなりのものとなっている。

 僕の聖剣『破滅の聖剣・ワールドエンド』の力を使えば彼の聖剣を壊すのもたやすいのだけど、できれば無傷のまま手に入れたいのでほかの手段を取りたい。しかし


(ガコンッ!!)


 彼の魔道具としての強さが予想以上に強く、僕が取れる手段もあまりないというのが現状だ。ときどき『黒札』で動きを止めようとしてみるがすべて失敗に終わっている。まあ彼の体のいたるところから銃口が生えて攻撃してくるのでそれも当たり前と言えるのだけど。

 彼に仕組まれたギミックはすべて把握しているけれども聖剣のせいでそのすべてが強化されているため防戦一方となっている。しょうがないから聖剣を壊すとしようか。


「本当はやりたくないけど仕方がないよね。《滅ぼせワールドエン」


「はっはっは!!無様な格好だな影縫!!」

 

「うわっ!?」


 突然聞こえてきた声に気をとられて影縫の聖剣に僕の左腕を切り落とされるところだった。いったい誰だこんなところにわざわざ来たのは。


「テメエは…ノイマー、どうしてお前がここにいる」


 おや?あれほど暴走していた影縫があっさりと正気を取り戻している。いきなりあらわれた彼のせいかな?


「そんなことを言わなければわからないのかい?これだから平民はだめなのだよ。今回のように重要な作戦を君ひとりに任せるはずがないだろう。いざというときのために私も来ていたのだよ」


「なんだとテメエ!!これは俺の仕事だ、手を出させはしねえぞ!!」


「学生1人に手間取っている君がよく言うね。そんな相手にはこうすればいいのさ《移せファントム》」


 そして彼が起こした現象を見て僕は早く終わらせるべきだったと後悔することになった。




 僕があらかじめ会場から転送した黒羽達が今この場所に現れていた。


「ほらどうだい、これでそこの生徒は足手まといを連れて戦うことになるのさ」


 ああ、馬鹿が何か言っているけどそんなことはどうでもいい。問題はもっと別にあるし、どうやってその問題を解決すればいいのだろうか。




side 夢見 悠


 これは会場に転移されたようですね。透も本気を出せばこれほど早く終わるのですね。私の予想よりも少し早かったのはそれだけ成長しているということでしょうか。

 そう思って私が見たのは聖剣を手にしている透の姿だった。

 その姿を見て彼が聖剣を隠していないことを理解した瞬間に勇者のほうを急いでみると彼も透とあの聖剣をしっかりと見ていた。


「………あの聖剣は……どうして彼が……」


「ほらどうだい、これでそこの生徒は足手まといを連れて戦うことになるのさ」


「グレーデル!?どうしてあなたがここにいるのよ!?」


「やあワーノルド君、君は今日も美しいね。そんな君だからこそ私の妻にふさわしい」


「質問に答えなさい!!」


 どうやらあのバカそうな赤髪の男はユーラシア連合の関係者のようだ。それならばワーノルドさんにまかせておいて、私は勇者をどうするか考え……


「どうして君がその剣を持っているんだ、雪白君!?」


 時間切れのようだ。


「仁!?いったいどうしたの?」


「だって、あの剣は、アレは僕の父さんの使っていた聖剣なんだ!!」


 言ってしまった

 本当に今日は最悪ね。3年ぶりに透に会えると思ったら透は魔法で人形みたいになっているし、元に戻ってもまともに話す暇もなく転移させられるし、しまいには勇者があの聖剣に気付いてしまった。

 本当にどうしてこうなったのだろうか。今朝は名伏に援軍として呼ばれて久しぶりに透と会えると思って楽しみにしていたのに。こんなんだからいつまでたっても透との進展が……話がそれてしまった。

 落ち着くために周りを見ていくとほとんどの人は体を震わせていた。

 まあこれほどの怒気にあてられればそうなるのも不思議じゃないけど。




 これほどの透の怒りは本当に久しぶりね。


 これからどうなるのかしら?

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