白と黒の初めての会話
入学式が始まり、教頭先生の長い話が終わり(校長先生は仕事でいなかった)クラスに戻りホームルームが始まった
「全員そろっているな。私はこのクラスの担任の織羽 千鶴だ。まずいきなりだが、この学校の授業について説明をする。よく聞いておけ。まずこの学校では午前中にクラスで授業を行い、午後からは自分で選んだ選択授業を行う。みな何を受けるかよく考えておけ。そして……」
「これでホームルームを終了する。各自明日からに備えて家でよく休んでおけ。」
いつのまにか寝ていたらしい気が付くと皆帰る準備をしていた
寝てしまって悪かったなと思いつつ帰る準備をしていると
「雪白君ちょっといいかな?」
例の黒髪さんに話しかけられた
「特にやることはないから時間はあるけどいったい何の用ですか?」
「何の用かと聞かれたらクラブのことだと返すんだけれど。その前に雪白君先生の話どこまで聞いてたの?」
「学校の授業のことまでだけど、まるで僕が寝ていたのを知っているかのような口ぶりだね。」
「知っているかのようじゃあなくて知っているんだけどね。それじゃあクラブのことと言ってもわからないかな?」
「カニのことなら知ってはいるけど?」
「なるほどわからないんだね。それじゃあクラブについて説明したいんだけれどもいいかな?」
「まあ教えてもらえるのならむしろ感謝してもいいんだけど…」
「だけど…いったい何?」
「その前に君の名前を教えてほしいのだけどいいかな?」
と僕にとっての当然の疑問を口に出すと彼女はなぜか驚いていた
どこかであったことがあるのだろうか
少なくとも僕は初対面だと思ったのだが
「私の名前?」
「君の名前」
「そっかうっかりしてたなあ、私ともあろうものが名乗っていなかったなんて。それじゃあ自己紹介させてもらうと私の名前は黒羽 蓮。よろしくね。」
と彼女は名乗ったのだった