2日目~3日目
すみません。生徒会長の名前を間違えていました。都 静が正しい名前です。
2日目の試合がすべて終わり、私たちは雪白君の集めてくれた情報を見ていた。三高と五高の試合は五高が2勝して勝ち上がった。これで明日の試合は決勝戦をかけたものとなった。そのせいか、雅さんたちはみんな緊張してきている。
「みんな、あしたは勝って決勝戦に行くわよ」
「「「はい!!」」」
「とはいえ、緊張しすぎると勝てる試合も勝てなくなるからな、ほどよくリラックスはしておけ」
「速水さんの言う通りです。五高の対策も一応考えたことですし、音無君、一緒に買い物行きませんか? 」
「買い物か、そうだな土産を買って帰りたかったしちょうどいい。行こうか」
「それじゃあみんなで買い物に行かない?」
「はい、私も見たいものがあるんです」
「リラックスするにはちょうどいいですね」
「じゃあ、生徒会と雪白君は買い物だね。わたしたちはここにいるから」
「しょうがないですね。町で鉢合わせしても困ったことになるし」
そうして、彼らは買い物に行って………一人欠けて帰ってきた。
「どういうことなの、音無君が襲われたって」
「理由は分からないけど、五高の選手たちが魔道具を使って自分たちもろとも石化したんだよ」
「そんな!!」
雪白君の言っていることを信じたくないが、速水さん以外の生徒会は泣いていることから真実なのだろう。いつも冷静な神無月さんだって目を赤くはらしている。
「このことにより、明日の試合は私たちの不戦勝となることが決まった。そして音無君たちは政府が全力を挙げて治そうとしている」
「校長先生、石化は治るものなんですか?」
「断言はできない。名伏君もそちらで頑張ってもらっているのだが治らないほどの石化ではないと言っていたが、治せるほどの人がいるかまでは分からないそうだ」
「校長先生、音無君を狙わせた人は大会に関係する人だと思っていいんでしょうか!?」
「都くん、それこそわからないのだよ。別に大会関係者でなくとも大会を邪魔しようとする人かもしれない。君たちは冷静に大会のことだけを考えなさい。けして、仇を探そうなどとしてはいけないよ。相手は石化の魔道具を使い捨てにできるほどなんだから」
「………わかり……ました」
そして、3日目は予想通りに二高が決勝の相手だということが決まった。一日たって、音無君を治せる人がいなかったということがわかり。治せる人を探すために各国に頼んだり、国に所属しない魔物狩りをまとめているギルドに頼み込んだりしているらしい。
「それじゃあみなさん、予想通りに勇者たちが勝ち上がってきたので僕なりの対策を言いたいと思います」
「ちょっと待てよ、別にいま言う必要はねえだろ。音無君があんなことになってるんだぞ!!」
「音無君のことは政府に任せるしかないだろう。僕たちは大会に専念するべきだ」
「雪白テメエ!!」
「まって奈々ちゃん!!雪白君の言う通り、これで私たちが勝てなかったら音無君が目覚めたときに『あなたが心配をかけたせいで私たちは負けた』と思わせるかもしれない。そんなことはしたくないの」
「都さん………」
「静の言う通りだ、雪白お前の策を言ってくれ」
「では言わせてもらいます。影縫君を団体戦に出せばいいんです」
「えっ!!」
「影縫君が勇者を倒してから生徒会で残りを倒せばいいんですよ。簡単でしょう?」
「待ってください。彼は団体戦には出ないのではないですか?」
「決勝戦では特別に出てもらえるそうです」
「そうなのね、それならお願いするしかないわね」
「ではそういうことで、皆さん頑張ってください」
後になって思い返してみると、この大会に渦巻く悪意は決勝戦に向けて加速して、あの結末はもう変えられなかったんだろう。