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学期末テストは終わりました

 学期末テスト、それはこれからを決めるもの


 学期末テスト、それは人々を分けるもの


 今ここに学期末テストに打ち勝とうと挑戦し、はかなくも敗れていったものがいた。というか僕だった。

 夏休み前の学期末テストの魔法学においてマークシートに記入するタイプの試験という極めて答えがずれやすい、いやらしいテストで僕は第3問からすべてずらして記入したために2点しか取れなかったのだ。

 そんなわけでテスト返却から1学期の終業式までの1週間僕はクラブに行くことなく補習を行っていたのだ。


 ちなみに黒羽達は誰も補習を受けることなく夏休みに行う予定のクラブ合宿の計画を練っているらしい。その予定を終業式の終わった後、つまり今から聞きに行く予定なのだが黒羽が何か企んでいる顔をしていたので、いざというとき瞬時に反対する準備をしておかなければいけない。


 部室の前についた僕は深呼吸をして気を落ち着かせる。よしっ、いくぞ。


(コンコンッ)


「はーい、どうぞー」


 おや?黒羽でなく紅が返事をするとは。いつもどおりでないということはやはり何かあるのだろう。だがここで臆しては男がすたる、いくぞ!!


(ガラガラッ)


「ゴハッ!!」


 ドアを開けて中を見るなり僕は倒れた。いや危なかったあれをこれ以上見ると僕の感情が荒れてしまう、理性を保つためには今すぐ家に帰って寝るべきだが、そうするのも情けないと思ってしまう。

 これはおそらく僕のことを知っている彼女たちなりの作戦なのだろう。今の僕が逃げないというのも計算に入れてこんなことをやっているのだ。こんな非道なことをする奴に負けていいのか?いやいいはずがない。ゆえに僕は待ちの姿勢で行こう。彼女たちの次の一手を待ち逆転の機会を見つけてみせる!!


「おやー?雪白君どうして床に倒れたんですかー?ほらほらちゃんと見てあげてくださいよー。こんなに頑張って雪白君を待っていたんですよー」


「いやあそれは済まないことをしたと思うけど、実は僕の家はある宗教の信者でね、今日は地面に倒れながら生活しなければいけない日なんだよ」


「その割にはさっきまで立っていたようですけどー?」


「正確にいうとさっき部室を開けるまでの時間から開始だったのさ」


「そうですかー。それじゃあ仕方がないですねー。仕方がないのでわたしが雪白君の下にこの子をはさんであげますねー」


「「お前らいい加減にしろよ!!」」


 僕と紅が話していると我慢できなくなった2人がついに怒鳴ってきた。


「いいからさっさと着替えさせろよ。あたしだってこの身長を凄い気にしてんのになんで幼稚園児のかっこうなんてしなきゃいけないんだ!!」


 1人は言わずと知れた僕らのマスコットキャラ土屋 奈々。彼女の言うように幼稚園児のかっこうをしている彼女はいつもの5割増しでかわいいし、愛らしい。しかし僕が倒れたのはもう一人を見ないためだ。土屋1人だったら僕は彼女を抱き上げて振り回した後、高い高いでもやっていただろう。

 そのもう1人とは、


「土屋の言う通りだ。そもそも俺に至ってはまったく似合っていない女装をさせられているんだぞ!!どう考えてもおかしいだろう!!」


 そう、生徒会の音無君がおそらく校内予選の内容を考えるときに僕が着た女性ものの服を(結局予選では使わなかった)彼は着ているのだが、それがまったく似合っていない。3秒以上見つめると気が狂いそうになる。僕が床に伏せたのも仕方のないことであろう。


「まあしょうがないですねー。音無君は確かに視界に入れたくないので着替えていいですよー」


 さすが紅、癒し系キャラを隠れ蓑にしたその毒舌で音無を撃沈するとは。それなりに広いこの部室にある着替えスペースに行った音無からすすり泣くような声がするが、気にしないほうが彼のためだろう。


「おい茜、あたしも着替えていいんだよな?」


「いえいえ奈々ちゃんにはまだ役目がありますからー。着替えちゃだめですよー」


「そうか」


 土屋の奴もうすでにあきらめているな。わかっていながらも着替えていいと言われる可能性にすがっていたんだろうな。


「それじゃあ雪白君立ってくださいー。生徒会の人たちと話がありますからー」


「生徒会と?」


 たしかによく見てみると生徒会の人たちがいるのが見えた。しかし全員そろってくるとはいったい何の用なんだろうか?

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