十五日目………プレゼント交換の行方(おふざけ?)
「案外あっさりと決着がついたね」
「まあこのゲームが本命と言うわけではないからあっさりと終るものにしてあるのよ」
というわけで、このゲームの決着は僕が抜けてから20分ほどでついた。結果としては1位が僕で2位が奈々、3位が瞬で4位からは蓮、茜、ディア、瞳となった。
まあ僕が1位になるのは当然だったとして奈々が2位になったのは意外だった。しかしよく考えてみれば彼女はトリックとゲームの練習をしているんだろうし、僕の使ったイカサマを利用するぐらいには成長していたのだろう。
「ところで透君、君はいったいどんなイカサマをしていたんですか?」
「………そんなふうに聞かれて答えるほど僕は素直な性格をしていないよ」
「え!?透君イカサマしたの!?」
説明しようかな?
「わたしもききたいですねー。どんなイカサマかは残念ながらわからなかったので教えてもらえるとうれしいですー」
「イカサマなんてたいそうなことはしていないよ。と言っても納得してくれなさそうだから種明かしをするけど。いまさら順位を変えないでくれよ?」
「わかったわ」
言質が取れたので種明かしをする。
「僕はカードを全部交換し続けていただろう。その時取ったカードに目印をつけていたんだよ」
「目印?」
「カードの裏にマジックペンで数字を書いていたのさ」
「そんなはずはありません。いくらマジックペンで書いたとしても私がきちんと確かめたときに分からないはずがありません」
まあ普通のマジックペンならそうだろうね。でも僕が使うマジックペンが普通のものだなんて思っているんじゃあないだろうね。
「僕が使ったマジックペンは物体越しにじゃないと見えない魔道具なんだよ」
「物体越しに?………コンタクトレンズですか!?」
「そういうことだよ」
そう、これが僕のイカサマのタネ。いくら瞬が見破ろうとしても道具を持っていなければ見破れないってわけだ。
そいて僕の種明かしも済んだところで勝った人からくじを引いていきそれぞれのプレゼントをもらったのだが。
「なんで僕はカツラなのさ………」
「私のは般若面って………」
「うさ耳なんてどうして選んだんですか………」
「私のは『俺、かっこいい』って書かれたTシャツですか………」
「あたしのは釘バットだぜ………」
「我のに至っては育毛剤だぞ………」
「まだいいじゃないですか。私なんて『あなたの頭もこれで荒野に!!』って書かれた薬ですよ。これ絶対に禿る薬でしょう」
みんなは当然のごとく当たり前のものを選んでいなかったのだった。