十五日目………一抜けは(白)
「なるほどね………私はいいわよ」
「我も異論はない」
「私もいいですよー」
「というかこの提案をのまないやつはいないだろ?」
奈々の質問にまだ答えていなかった瞬と瞳が頷く。これで僕の提案は受け入れてもらったわけだけど………あとで後悔したって遅いからね。
「それじゃあルール説明も終わったしカードを配るわよ。まずは私がシャッフルしてからみんなが1回ずつカットしようか」
ということでみんなでカードを混ぜた後、蓮がみんなに5枚ずつカードを配る。じゃんけんの結果ディア→蓮→瞬→茜→奈々→瞳→僕の順にカードを交換することとなった。
僕の手札は1,5,10,15,19これじゃあ勝てるとは言い難い。1度に5枚全部交換できるらしいし全部交換しておこうか。
ディアは3枚、蓮が2枚、瞬と茜、奈々は5枚全部、そして瞳は1枚交換した。みんなが交換したカードは数字が低い可能性が高いのでそれ以外を選んで交換した。
ついでにこっそりと何枚かのカードを混ぜ込んだがまあどうでもいいことだろう。
さて何のカードを引いたのかな?
2,3,4,6,7
「なんでだよ!?」
「ど、どうしたの透君!?」
いけない、うっかり叫んでしまった。蓮たちには何でもないよと言っておいたがいまので僕の手札が悪いことは分かってしまっただろう。
こうなったらしかたない。あの作戦をやるしかない。
現在 10ターン目。これまで僕は手札をすべて交換していた。まだ誰も抜けていないないがそろそろいい手札がそろってもおかしくない。
実際ディアは手札に80と75、そして70の3枚がある。70と80で1桁ぞろえも連番も狙えるいい手札だろう。
他にも高い数字を複数持っている人が2、3人ほどいるしその中には90番台を持っていそうな人もいる。
………しかしまあ僕もそれなりのカードを把握できているからそろそろ仕掛けようかな。
「ほら透、てめえの番だぞ」
「ん?ああ、ごめんね。じゃあ僕は3枚交換しようかな」
「3枚でいいんですか?」
「そうだよ」
だって僕はこの3枚で十分だからね。
「ついでにもう一つ、僕はこれで抜けたよ」
『!?』
ふふふ、僕の手札が予想できる人はいるかな?
side 風宮 瞬
まさかここで抜けるとは。しかしここで疑問なのは最後の3枚を迷うことなく取っていった後、何の感情もなく、むしろ当然だと思っているような表情を見せたことですね。
これはもしかすると何らかのイカサマをしている可能性もありますね。その種がわかれば私でも利用できるかもしれません。
さてと、少しでも他の人より有利になれるように頑張りますか。