七日目………嘘つき?(黒)
「え?」
「ん?」
「ええええええええええええええええええええええええ!?」
「!?」
絶叫
あまりの叫びに咄嗟に蓮の口をふさぐがそれでもまだ目を丸くして驚いている。
………驚いている?クリスマスパーティーに参加できないことを知ったのなら驚くよりも悲しみそうだけど?
「蓮、落ち着いてくれ。この家は当然ながら防音だけど、だからと言って好き放題叫んでいいわけじゃあないんだよ」
そう言うと落ち着きを取り戻していき………再び暴れ出した。
「!?!?!?」
「ちょ、ちょっと蓮!?」
なんでそんなに暴れ出すのさ!?
「ちょ、離して!!離して!!」
「え?………ああごめんよ」
蓮の口をふさぐのに近づきすぎたから暴れたのか。もう少し僕も気をつけないとな。
そして蓮の方もなんとか(表面的には)落ち着いたのでさっき驚いた理由を聞いてみることにした。
「ところでさっきは何に驚いていたんだい?」
「え!?………だって瞬君と同じでクリスマスに用があるってことは、その」
OH………そういうことか。まさか僕が彼女ができたと勘違いされる日が来ようとは思いもしなかった。
そしてそんなことを想定したことはなかったのでいくらか僕の反応が遅れてしまった。
その結果………
「ま、まさか透君に彼女ができるなんて!!あ、相手は誰?やっぱり茜ちゃんなの?それとも奈々ちゃん?いや、リーダーや悠ちゃんっていう線も………ああもう女の子の知り合いが多すぎるんじゃないの!!」
暴走、というか妄想していました。別に女性の知り合いが多くても全員が友人止まりなんだからいいじゃないか。まあそのうち1人には告白されてしまったわけだけどさ。
「落ち着いてくれ、別に誰かとデートしようってわけじゃないんだ。ただその日には魔道具の納品があってね。その魔道具はかなりの注文をつけられたものでね。魔道具を渡してはい、おしまいとはいかないんだよ」
「あ、そうなのね………ごめんなさい、勘違いしてしまったわ」
「まあ僕の言い方も悪かったからね。とにかくそういうわけで僕はクリスマスにはいけないんだよ」
「そうなの………じゃあクリスマス・イブはどうかしら?やっぱりクリスマスに渡す魔道具のことで忙しいの?」
「………いや、もう魔道具は完成しているから前日には問題はないね」
「本当!?それじゃあイブにパーティーはできるの!?」
「ああ、みんなに声をかけてみよう」
「ええ!!」
まったく、こんなにいい笑顔を見せられちゃあまだ完成していない魔道具だって急いで完成させるしかないよね。
本当に男ってやつは単純なんだからさ。