六日目の収録終了………七日目の相談(友人→黒)
「おつかれさまでしたー」
「「「おつかれさまでした!!」」」
あの激辛ガムを食べてからどうにかまともにしゃべれるようになってから頑張ってラジオを続け、なんとか終わらせることができた。
だいたい1時間ほど話すだけだったのにまるで運動をしたかのような疲労感が僕の体にあった。これを圭介は毎週やってるっていうんだから尊敬するよまったく。
「透、今日はありがとうな」
「いや、僕も面白い体験をさせてもらったからね。僕の方こそ感謝しているよ」
「雪白君は初めてにしてはそれなりにうまかったからこれから頑張ればラジオもできるんじゃない?」
「そうですね。雪白様はどうにも愉快な日々を送っているそうですから話のタネは尽きないでしょうし」
「いやいや、初戦は素人にしてはだからね。それに僕は魔道具を作るのが好きだからラジオとかで働こうとはやっぱり思えないね」
まあたまには別の仕事をやってみて魔道具作りの良さを再確認するのも悪くはないけどね。
「それじゃあ僕はここで失礼するよ」
「もう行くのか?」
「ラジオが始まる前に頼まれた仕事もあるからね。冬休みはまだあるとはいえ時間に余裕があるうちにやっておいた方がいいだろう?」
「なるほどね。それじゃあ引き止めるわけにもいかないわね」
「そうですね。また会えた時にはよろしくお願いします」
そうして僕の初ラジオ収録は終わったのだった。
そして翌日、僕がどうすれば通信用魔道具の緊急モードについて普及させることができるのかを考えていると、今日もまた訪ねてくる人がいるのだった。
「今日は蓮なのか………」
「な、何なのその反応は?」
「いや、こっちの話だよ。それでいったい僕に何の用なんだい?」
「気になるんだけど。………まあ気にしないでおくわね。実は透君に相談があるのよ」
蓮が僕に相談?なんだろう、わざわざ僕に頼みに来るってことは僕がどうにかできると思ってきているのだろうけど。
「あのね、クリマスパーティーっていうのをやってみたいんだけど、私はやったことがないからどうすればいいのかわからないのよ」
「クリスマスパーティー?」
なるほど、それで他の人よりは確実に知ってそうな僕に聞きに来たのか。しかし困ったな。クリスマスには少なくとも瞬はデートのはずだし、僕の方も予定が入っている。
これは先に言っておいた方がいいだろうから伝えておくか。
「あのさ、蓮」
「うん?」
「クリスマスパーティーを考えるのはいいんだけどさ。クリマスには僕と、多分瞬もだけど予定が入ってるんだよ」
「………え?」