六日目………始まった収録(友人)
収録2分前にようやく水樹さんが呼んだ友達木戸 唯さんがやってきた。なんでもこのラジオの前の仕事が遅くなったうえに渋滞に捕まってこんなに遅くなったらしい。
2分という短い中で挨拶を交わし、ラジオ初心者の僕はとにかく冷静でいられるように心を落ち着かせる。
そしてついにラジオが始まった。
「はい、それじゃあ今週もラジオ始めるよー」
「今週のラジオも楽しんで聞いてくれる人がいるとうれしいですね」
「そうそう、そういえば最近私、自転車にはまってるのよね」
「自転車にはまってるって、あれそういうものですっけ?当たり前のように使ってるから俺としてははまるとかはない気がするんですけど」
「それは素人君が自転車ってものを知らないからだよ。自転車は楽しいよ。前輪をあげて走行したり後輪をあげて走行したり」
「ずいぶんと凄いことをやってるんですね」
「合体変形させたり」
「合体変形!?それってどんな自転車なんですか!!」
「もう私くらいになると自転車からしてすごいからね。私が乗りたいなって思うと向こうから来てくれるんだよ」
「もはやペット感覚!?」
おお、いつも聞いていたあのやり取りが今目の前で行われている。これをみると圭介はすでに1人の人間として働いているんだなあと思う。
そしてすでにもらった台本の通りに進んでいないんですけど!?どうすればいいのさ。
「ところで今日はいつもと違うことがありますよね」
お、ついに僕たちの紹介を………
「え?いつもはわたしの胸に向ける視線が今日は足にいってるってこと?」
「違いますよ!?いつも見てませんからね!!そうやって誤解を生むようなことを言うのはやめてくださいよ」
「あのね素人君、女性はね男性が思っている以上にそういう視線に敏感なんだからね」
「今はそんな情報を知りたくなかった!!で、そういうことじゃないでしょ!!今日はなんと」
「素人君の誕生日なの!?そんなに自分の誕生日を祝ってほしいの?」
「違いますって!!そんなに自分が好きな奴じゃあないですからね」
全然紹介されそうにないんだけど。だからと言って気を抜いたときに紹介されてテンパってもいけないから気を張っておかなければ。
「もう俺が言いますよ!!今日は自分と水樹さんの友人がゲストとしてこのラジオに来ています!!」
「それじゃあ紹介しますよ。まずはわたしの友達、木戸 唯です!!」
「みなさんこんにちは。木戸 唯です。今日はいつも以上に皆さんに楽しんでいただけるように頑張りますね」
「で、自分の友達の白々 椎です」
さあ僕の戦いはこれからだ!!