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六日目………雪白 透は逃げようとした(友人)

「ね、ねえ。僕はさ、時々振られる圭介の話に答えればいいんだよね?昔の圭介はどんな子でしたか、っていう質問にありのままを答えればいいんだよね?」


「………」


「いやー、ははは」



 無言で圭介をにらみつける水樹さんと乾いた笑いをする圭介。瞬間、僕のすることは決まった。

 この部屋のドアへ向けて堂々と気持ち早足で進む。と圭介がしがみついてきた。



「うわあああああ。ちょ、ちょっと待って!!詳しく話さなかったのは悪いと思ってるけど今帰られたら困るんだよ!!」


「今帰れなかったら僕が困ったことになるだろ!?」



 今のうちに逃げないと後で色々と大変なことになりそうだ。それは圭介の必死さからもわかる。というかこいつは知ってて黙っていたんだから困ろうが僕の知ったことじゃあない。



「違うんだよ透。俺は別に自分が感じたことをお前にも教えてやろうとか思ってたわけじゃないんだ!!」


「そこまで言っておきながらだませると思ってんの!?」



 ていうか圭介もいきなりラジオさせられたの!?それは驚きだ。僕はラジオを聞くのも好きなのでこのラジオも初回から聞いているのだけど凄い息の合った会話をしていたのに、それがいきなりだったなんてすごい運命だな。


 でも僕にはそんな運命はいらないから全力で帰るけどね!!



「頼むよ透!!今お前が帰ったらすごい金額の損失になるんだぞ!!」


「億までだったら用意してやる!!だから帰らせろ!!」


「えっ!?億までならどうにかできるの雪白君!!」



 なんか食いついてきたよ!!この人ずいぶんと金もらってるんじゃないの?人気アイドルなんでしょう?



「水樹さんはかなりもらってるでしょ!?」


「働いて稼ぐ金と人からもらうお金は別物なのよ。でも雪白君ってそんな簡単に億単位のお金を稼げるの?」


「できるさ!!だから僕は」


『本当ですか!?』


「うわっ!!」



 いきなり部屋にいたスタッフまで食いついてきた。どうなってんのさこの部屋にいる人は!!



「いきなり聞くのは失礼かもしれませんが何のお仕事をしているのでしょうか?」



 スタッフの1人(?)が僕に話しかけてきたので、この場から逃げるための一手になればと思い答える。



「魔道具を作って販売しているのでそれなりには稼いでいるんです」


「ほう!!ならば魔道具について詳しいと考えてもいいんですか?」


「ええ、ある程度なら時間をあまりかけずに理解できますよ」



 ………あれ?なんかひどい間違いをした気が。



「よし!!聞いたなみんな。これで『魔道具紹介コーナー』ができるぞ!!」


『おおー!!』






 雪白 透は墓穴を掘った!!


 囲まれて逃げられない!!

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