二日目は解決………三日目の襲来(茶→赤)
結果から言うと(残念ながら)僕はゲームで勝った。そのおかげで元いた海に転移してもらったのだけど、トリックのゲームの難しさがよくわかった。
あれなら奈々が勝てないのもわかる。ゲームが始まる前にどれくらいのイカサマなら気づかれるのかを確認するためにいろいろやったのだけど凄かった。
魔道具を使ったイカサマはすべて見抜かれ、魔法を使わない手品でも通用しないというさすがは『手品の聖剣・トリック』というべき結果になった。
そして僕の予想通りトリックは僕のイカサマがわかっていながら指摘しなかった。
そして何より予想外だったのは、僕が程度の低いイカサマをしようとすればトリックが机をわずかに揺らすなどの気づきにくい行動で僕に警告してくれたのだ。
やはり聖剣、とくにトリックのような明確な意識を有する聖剣は分からないことが多いと再認識させられた2日目だった。
そして3日目………
「お願いですよ透君ー。デートしましょうよー」
「お帰りはあちらですお嬢様」
「即答ですかー!?」
なぜか我が家に入ってきていた紅 茜(16)はデートしましょうよーなどというわけのわからない発言をしており、雪白 透氏の休日をぶち壊しにしたため家からの追放に処されることになりました。
「本当に放り出すなんてひどいじゃないですかー」
「どうやって入ってきたんだい?」
「合鍵ですよー?」
「………そんなもの渡した覚えがないんだけど?」
「でもわたしたちは全員持ってますよー」
近いうちに家の鍵を変えるとしよう。指紋認証システムを組み込めば合鍵なんて作れないだろうし、ちょうどいい暇つぶしになるだろう。
「では透君、わたしとデートしましょうかー」
「1人で行ってきて」
「1人でできるものではないですよ!?」
「ほら世の中には妄想デートというものがあってね」
「それをしろっていうんですか!?」
大丈夫、世の中美少年と美少女には優しいようにできているのだ。茜が妄想デートなんてやってもきっと世間の人たちは温かい目で見守ってくれるだろう。
というわけでおやすみなさい。
「寝ようとしないでくださいよ!?もう昼の1時なんですよ!!」
「昨日なんだかんだで寝たのが0時なんだよ。昨日というか今日寝たんだよ。だからまだまだ寝たりないんだよ」
「………なにかあったんですか?」
「奈々と海に行ってたんだよ」
おや?静かになったな。ようやく茜も僕を寝させてくれる気になったのか。それじゃあその気持ちを汲ん
「ぐべえっ!?」
あれ?なんか変な音が出たよ?
「ふ、ふふふ。奈々ちゃんとは海に行くのにわたしとは行かないんですか。つまり透君はロリコンなんですね。それはいけません。わたしが矯正してあげますよ」
「な、なに!?何が起こって」
「まずはきちんと起きなさい!!」
今日知ったこと1 普段のんびりしている人は怒ると怖い。