二日目………真剣勝負開始(茶)
「というわけで勝負をしようかトリック」
「いいぜいいぜ!!おまえさんはなかなか強そうだからなあ!!」
奈々にボコされた後、トリックにゲームで勝てばここから僕の家まで帰ることができるのかと聞いてみるとゲーム難度をあげたうえで勝てば可能だという答えが返ってきた。
どうやらトリックは強い力を使うにはその分難しいゲームで勝たなければいけないらしい。
というわけで奈々を説得しトリックと勝負することになったのだった。
「それじゃあ透が勝利したときには2人を透の家に転移させればいいんだな?」
「うん、それで頼むよ」
「OK!!それじゃあゲームレベルは3が妥当だな!!というわけでゲームは『1人神経衰弱』だ!!」
「なにその虚しいゲーム」
どう考えても友達のいないぼっちがやるゲームだろう。それはつまり僕が友達のいないぼっち野郎と思われているわけで………誰がぼっちだ!?
「なんか変なこと考えてねえか透?」
「まあ透が何を考えていようがゲームに変わりはないんだがな。でルールを説明するぞ」
「どうぞ………」
「まず使用するトランプには俺を使ってもらう。基本的なルールは普通の神経衰弱と同じだが、今回は1人でやってもらうからなペアができない場合も続けてめくってもらう。だが3回外した時点で透の負けとする」
「僕が勝つにはすべてのトランプをとればいいのかい?」
「そうだ。そしてある意味一番大切なことなんだがな2枚のカードがめくられるたびにカードの配置を変えるからな」
「な!?そんなんじゃあゲームにならねえだろうが!!」
「カードの配置を知るのに魔法を使うのはいいのかい?」
「俺が気付けなければ問題はねえ。『イカサマは気づかれなければイカサマじゃない』なんて名言もあるからな。ただし俺が看破した場合は即敗北だから気をつけろよ」
なるほどね。つまりこれはイカサマを前提としたゲームなわけだ。そしてそのイカサマを見抜くか見抜かれないようにうまくやるかが肝心なのだろう。
そしてイカサマがトリックにばれたとしてもそれをトリックが指摘しなければ僕は負けたことにならない。おそらくだけどこのゲームは難易度によって指摘するイカサマのレベルを変えているのだろう。
そうでもしないと聖剣を騙すなんてことはそうそうできることじゃあないしね。
ということでそれらを踏まえたうえでこのゲーム勝つとしようか。
「さあそれじゃあ『1人神経衰弱』始めるぜ!!」
「ああ、奈々の脱衣をかけて勝負だ!!」
「なに言ってんだテメエ!?」
こうして僕とトリックの真剣勝負がはじまった。