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生徒会の受難

side 都 静


 どうも、生徒会長の都です。いま私は夕日ちゃんと、第3会場で合流した神無月ちゃんといっしょに砂の入った穴の開いたリュックを背負ってお邪魔要員におわれています。


「か、かいちょー。うしろから、きゃぁ!?魔法が飛んできてますけど、どうすればいいんですかーー!?」


「《氷の鎖》、魔法で足止めをしても大した時間も稼げませんね。それに目的地から遠回りさせられそうです」


 困ったわね。第3会場のルールはリュックから砂が落ちきるまでにゴールにたどり着けというものだったが、お邪魔要員の多さによって達成するのが難しくなっている。


「こうなったら私の複合魔法で………」


「《暴風の矢》」


「《雷の槍》!!」


 私が切り札の一つを使おうと思ったところで、魔法によってお邪魔要員のみんなが吹き飛ばされた。今の魔法はもしかして。


「遅くなってすまない」


「音無 宏太、いま参上しました!!」


「亮介!!音無君!!」


「話はあとだ。先に第3会場を通過するぞ」


「そうね、みんな行くわよ」


「「「はい!!」」」


 それから何とか私たちは全員で第4会場に行くことができた。そうして彼らの話を聞いてみると亮介は織羽先生に3回挑戦して失敗し、新しいくじを引いてその内容を合格したところを音無君と合流したらしい。

 音無君も雪白君から罠を仕掛けられていたらしく偶然それを避けられたからよかったものの、彼でなければ引っかかっていたかもしれない。


「しかし会長、この第4会場のルールである校門までたどり着けというものですが、歩き始めて5分の間に何の妨害もないというのはどういうことでしょうか?」


「もしかして第3会場までクリアしたら予選通過ということだったとかじゃあないですか?」


「いやいや、あんなあくどい試練を考える奴らがそんな優しいことを考えるはずがないだろ。油断したところを襲う気だぜ、きっと」


「なるほど、たしかに音無君の考えにも一理あるわね」


「ああ、静が依頼したクラブにいる雪白というやつはあらかじめ策を練れるのならかなり厄介な奴に思えたからな」


「いやいや、それは考えすぎですよ」


「でも亮介がそこまで思うほどの何かはあるということよね」


 亮介の言う通りならかなり厄介な相手ね。いったいどんなことをしてくるつもりかしら。


「ところで会長、魔法を使うだけの体力はちゃんと残っていますか?これから何があるのかわからないので、そういうことを僕としてはちゃんと知っておきたいのですが」


 たしかに魔法を使うのには体力や精神力をそれなりに使ってしまうから今みたいに2人でいるときは教えておくべきね


「私は………」


side 夕日 朝日


「それにしても、このまま何もなく済めばいいですね」


「はい、そうですね。私としても何も起こらずに済めばそれに越したことはないですしね」


 やはり今みたいに2人しかいないときは何も起こらないでほしいです。


side 音無 宏太


「しっかしよー。なんでお前と2人で学校を回らなくちゃいけないんだよ」


「そんなのは、私が会長に頼まれたからに決まっているでしょう。そんなことも忘れたの?」


「ああ、そういえばそうだったか」


 そうだ、なんでこんなことを忘れていたんだろうか?


「まったく、それじゃあ早くいって終わらせるわよ」


「ああ、何かあっても俺に任せとけ」


side 神無月 秋


「これはいったい………」


 私は魔法か魔道具が発動したのを感じた瞬間に防御魔法を使ったのだが、いつの間にか会長たちとはぐれていた。

 これが第4会場の試練の一つなのだろうか?


「とりあえず、会長たちと合流しなければいけませんね。探索魔法は得意ではありませんが頑張るしかないですね」


side 速水 亮介


「まさか全員をバラバラにして襲ってくるとはな」


「まあ、このくらいの仕掛けに対応してほしいってことだよ」


「そうか、ならばお前を倒して進むとしよう」


「前に負けたお前が勝てると思っているのかよ」


 そう、俺は以前予算争奪戦の時に彼女に負けている。しかし今回はそうやすやすと負けるわけにはいかない。生徒会の名で参加している以上は勝たせてもらう。


「いくぞ《風の狼》」


「あめえよっ《強制土葬》!!」


もう負けはしない!!


side 雪白 透


 さてと、予定通り分散できたけどあとどれくらい会長さんは気づかないでいてくれるかな。

 先に出た合格者とどれほど違うのか見させてもらいますよ。

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