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危険の中の平穏

「………何もなかったね」


「………何もなかったわね」



 僕が聖剣の摘出を始めたから3日。何の襲撃もなかったために無事『愛情の聖剣』を取り出し彼の弱体化に成功した僕たちはその後もできるだけ体を休めようと移動することなく寺にいた。


 いまだに目を覚まさない悠弥さんが心配といえば心配だがここにある医療用魔道具は他の場所のものよりも数段性能がいいので他の場所に移す必要もない。

 それに僕の折られた聖剣も直せるだけ直さなければ不安だったので不意討ちに対応できるくらいには気を配りながら作業をしていたのだけどここまで何もないというのはそれはそれで不安になる。



「ただいま帰りました」


「帰ったぜ」


「お帰り2人とも。外の様子はどうだった?」


「それについては皆さんが集まってから話そうと思います」


「そうね。また後で同じ話をするのも面倒だからそうしましょうか」



 そんなときに外へと様子を見に行っていた瞬と奈々が帰ってきたので2人の報告を全員で集まって聞くこととなった。



「まず彼らの仲間ですがまだ捕まっていないようです。それとアリスト王国の第3王女自らが出て彼らを追っているようです」


「ついでに転移を繰り返してここからだいぶ離れたところから徳治さまに連絡を取ったんだが奴らは何かを造っていたらしい」


「………どういうことだ?」


「なんでも奴らがこの国で使っていた拠点を突き止めてそこに突入していったんだがそこには人間が入るくらいの水槽とバカでかい水槽があったらしくてな。まあ突入時にはもぬけの殻だったそうなんだがどうやらそこにあった水槽全部使われてたみたいなんだよ」



 人間大の水槽とバカでかい水槽。人間大の水槽には彼の仲間たちが魔力を吸わないように増やさないように入れられていたとは思うけど。

 もう一つの方に何が入っていたのか。それはもしかすると僕たちを放置している理由なのかもしれない。


 黒羽 仁たちが使いものにならないと見切りをつけて別のものをメインに据えそれの実験相手を僕たちにさせよう………というのは僕の考えすぎかな?



「とにかくまだ捕まっていないのなら私たちも油断できないわ。とくにこの国とアリスト王国の追手から逃げ切るだけの実力があるということだからくれぐれも油断しないようにね」


『はい!!』


「ま、それほどの相手なら油断してなくてもやられるかもしれんがな」


「不吉なことを言わないでくださいよディアさん!!」





 ………どうしてこのメンツは真面目でいられないのだろうか?

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