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毒殺&三分

 黒羽 仁は驚いていた。


 彼は今、自分のオリジナル属性とスティフ・サーリーの研究の成果により誰にも負けるはずがないと思っていたし、実際に本来なら倒せなかった相手である黒羽 悠弥と雪白 透を2人相手にしたうえで倒すことができた。


 なのになぜ、今自分は膝をつき倒れかけているのか。



「なんで僕は………」


「今貴様の体は我のオリジナル属性により作り出した毒により死にかけているのだ」


「なんだって?」



 毒


 モノによっては一瞬で人を殺すことのできるもの。


 だが今の自分には毒なんて効かないはずなのだ。そういうふうに作られているのだ。



「ちなみに言っておくが貴様に毒に対する耐性があったとしても無駄だ。我が作り出す毒はその耐性すらも利用して貴様を殺すからな」


「そんな馬鹿なことが………ぐっ!?」


「そろそろ体内の臓器を溶かし始めたところか。貴様の体に入れた毒には進行段階があってな。まず貴様が動けぬように神経を麻痺させ、次に体内の臓器を時間をかけて溶かす。そして最後に足から頭へと体を全てドロドロに溶かしていく」



 それは最悪の毒だった。ただ単純に殺すことを目的としているのではなく、殺す相手が苦しむことを目的としていた。


 すでに壁にもたれる程度にしか体は動かせなくなっている。痛覚もマヒしているためにどれほど体が解けているのか正確には分からないがまだ少ししか溶けていないだろうと思う。


 くだらないことだが雪白 透や黒羽 悠弥の敵を取ろうと考えているのならすぐには殺さずじわじわとなぶり殺しにするだろう。


 だから今自分がすべきことはできるだけ早く相手に気付かれないように解毒することだ。



「しかし君も敵討ちなんて無駄なことをするね」



 そのためにもまずは相手を揺さぶる。彼女は雪白の仲間のようだからあいつについて話せばどうにかなるだろう。



「そこで真っ二つになっている奴が最後になんて言ったか教えてあげるよ。死にたくないだってさ。自分はたくさん殺したくせに!!」


「………貴様は何か勘違いしているようだな」


「なんだって?」


「我は透の敵討ちなんぞする気はない。ただ単に貴様がいると普通の生活ができんからここで殺すだけだ。じわじわと殺すのは今までのストレスを解消させてもらうためだ」



 まずい。彼女の目的がかたき討ちでないというのなら。いつ気が変わってすぐに殺すことにしてもおかしくはない。

 しかしこの毒を取り除くのにはあと3分はいる。



 どんな手を取ってでもあと3分稼がなくては。

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