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勇者&殺意

 急いで透と悠弥のいた部屋へとと向かう蓮たち。しかし今は時間稼ぎのために透の家の空間を3倍に拡張しているためすぐにはつかない。



「まったく、拡張するにしても我らが通る場所は普段通りにすればいいだろうに」


「そう都合のいいものじゃあないらしいわ。なんでも空間の整合性が取れなくなるとかそんなことを言っていたわ」


「まあ空間に作用する魔法はイメージしにくいですし、術式を組むにしても相当難しいらしいですからね。これくらいの不都合には目をつぶりましょう」



 そうして走ることおよそ10分。蓮たちはその異常さに気が付いたのだった。



「どういうことだ?あたしたちはもう10分くらいは走ってるがたとえ3倍の距離にしていたってもう部屋にたどり着いているはずだろ」


「これはもしかしたら3倍以上に拡張しているんじゃないですか」


「それって………」


「透君たちはかなりまずい状況にあるのかもしれませんねー」



 この状況にいやな予感がした蓮たちは魔法も使い全力で部屋へと向かったのだが、それでもたどり着くには30分ほどを要した。


 そしてその部屋は蓮が最後に見たときとは大きく変わっていた。


 まず部屋に置いてあったものはことごとく破壊されており、そして床には赤い染みと壊された聖剣………そして、血まみれの悠弥と上半身と下半身で分断された透が倒れていた。



「………え?」


「あれ、姉さんここにいたんだ。ここは危ないから早く家から出てね」



 そしてそこにただ一人立っていた人物。


 黒羽 仁がそこにいた。 『勇者の聖剣』を血に濡らしながら。着ている服を赤に染めながら立っていた。

 そして蓮に気付くとまるで何もない普通の家の中で話し合うかのような穏やかな声で蓮に避難をするように言うのだった。


 しかし彼がどれだけ穏やかであろうとも他の人までそうであるわけではない。

 ディアが体を震わせながら仁に聞いたのはある意味分かりきっていることだった。


「おい、貴様がこれをやったのか?」


「ん?これっていうのはそこに倒れてる人のこと?それともこの荒らされた部屋の事かな?」


「どちらもだ」


「それなら前者はそうで後者はまだ途中って答えさせてもらうよ」



 その答えを聞いたディアは他にも怒っていた蓮たちが冷静になるほどの殺気を放ち仁の前に立ち………



「そうか。ならば我は貴様の前に立ち向かうとしよう。それが我が友雪白 透へのせめてもの手向けになると信じて」


「君ごときが僕に立ち向かっても無駄だよ。そこにいる2人みたいに無様に転がる羽目になるだけさ」


「悪いが今の我は物わかりがよくないのだ。だから実際に試させてもらうぞ!!」



 そして『勇者』と『王者』の戦いが始まった。

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