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殺害&信頼

「さあ僕が生き残るためにできることをやろうか」


「ああ、ああああああああああああ!!」



 もはや狂っているとしか言いようのない赤井を前に透は笑っていた。


 赤井の持つ剣が発する禍々しい気配はついに赤井の体からも発せられ、それと同時に彼女の強さも上がってきている。

 もはやあの剣こそが彼女の力を強めている原因であることは間違いではないだろう。


 そして透はというと赤く染まっていた。


 手も足も、体の至る所が赤く染まり、今立っている地面には赤い水たまりができていた。

 見るからにボロボロなその体でなぜ笑えるのか大抵の人は理解ができないだろう。



「しかしこうなってみて初めて気が付いたんだけど君相手でもまともに会話ができなくなると結構さみしいもんなんだね」


「雪白、透ううううううううううううううううううううううううううう!!」


「そんな状態でも僕を覚えてくれるなんて、ゴホッ!!僕って想われてるねえ」


「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!」



 まさに死ぬ間際の挑発。そんなことをわざわざして自分の寿命を縮めようとする意図はどこにあるのか。


 透が意図したのかどうかは定かではないが赤井はまともに立つことすらできない透に剣を振り上げ




 ………透の心臓めがけて背中から刺し貫いたのだった。






「透君は無事に逃げ切れたかしら」



 同じころ場所は変わって透の家。無事に避難することができた蓮たちは心を休めることなどできずにただ心配していた。



「蓮、いまさら何を祈ろうが無駄だ」


「なんだとディア!!」


「ディアちゃん、どういうことですかー?」



 ディアの発言に怒る奈々と茜。他の3人はディアの真意を測ろうとしているのだがよく見ると体が微妙に震えている。

 彼女たちとて怒っていないわけではない。だがディアが透を見捨てるようなことを言うはずがないと今までの経験から信じたいのだ。



「貴様らは今まで透の何を見てきた?あいつがいつでも自分より弱い相手としか戦ってこなかったとでも思っているのか?そもそもあやつは一度自分よりも格上である黒羽一族と戦い生き残っているのだぞ。神なんぞに祈らなくても生きて帰るに決まっているだろう」


『………………………』


「ん?なんだ貴様らそんな呆けた顔をして」



 ディアから飛び出たすさまじいほどの透への信頼。それを聞いた蓮たちが呆けてしまっても仕方のないことであろう。


 そして



「ディアちゃんってさあ」


「なんだ?」


「透君のことを凄い愛してるよね」


「なあっ!?」



 彼女をからかってしまうのも仕方がないことだろう。



 

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