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あわただしい昼休み

 いま僕たち、つまり雪白 透、黒羽 蓮、土屋 奈々、紅 茜、風宮 瞬、ディア・アーノルド、紫原 瞳、そしてこの学校の校長の8人が昼休みに校長室に集まっていた。


 なんでもあの黒羽 仁がつい先ほど、まあ30分までをさきほどと言っていいのかは悩むけど、とにかく彼が黒羽の幽閉場所から脱走したという連絡が校長先生に入り、それから彼とは縁のある僕らが集められたということらしい。



「それで彼が脱走したっていうのは確かなんですか?いくらなんでも黒羽の警備がたかが学生に破られるとは思えないのですが」


「ええ、それがですね。どうも何者かが手助けをしたようなのです」


「どういうことですか?」



 彼らを助けるっていうことはこの国の5つの名家と敵対するってことなのにいったい誰がやったっていうんだろうか。



「もうじき黒羽 悠弥さんが来るので詳しいことは彼に聞いてください。皆さんには申し訳ありませんがいざというときのためにここから避難してもらいます」


「なるほど我らは奴が好いている蓮と嫌っている透の両方の知り合いである我らにも何か仕掛けてくるかもしれんし、その場合学校で余計な被害を出すのは困ると言ったところか?」


「しかしどうやって僕たちを避難させるかが問題だよね。なんといっても雷 心は転移の魔法が使えるわけだから避難している最中に不意を打って襲撃されてそのうえで誰かを連れ去られたら面倒だろう」



 この面子の中では奈々も転移魔法を使えるけどだから追えるってわけでもないし、最悪の場合としては僕ら全員がバラバラに転移させられるっていうのも考えられる以上車などのとっさに逃げにくい乗り物は遠慮したいところだけど。



「そこらへんはさすがに考えているはずよ。おそらくお父さんは」


「みんな無事か!!」



 なんというタイミングなのかな?しかし30分と少しで来れたということは転移魔法を使ったってことかな。


 そんなことを考えている間に僕ら全員の無事を確認したらしい悠弥さんが校長先生に話しかける。



「校長先生、みんなを集めていただいてありがとうございます」


「いえ、生徒の安全を守るのも教師の仕事ですから。お礼を言ってもらうほどのことではありませんよ」


「それでもお礼を言わせてください。また後ほどお礼を言いに来ますのでこの場はこれで失礼します」


「そう言われるのでしたらもしよろしければその時は一緒にラーメンでも食べに行きませんか?この近くに美味しい店があるのですよ」


「ぜひお願いします。みんな、ここから転移するから私に掴まってくれ」



 そうして僕らの昼休みはあわただしく過ぎていき、悠弥さんの転移魔法で黒羽家へと移動したのだった。



 だけどすでに黒羽家は安全な場所ではないことを僕たちは身をもって知ることになるのだった。

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