予選開始 第1会場
「それではこれから『高校選抜魔法大会校内予選』の説明をクラブ『魔法について研究死体クラブ』の副部長である僕からさせてもらいます。
予選当日、僕は予選の説明役(と『魔法について研究死体クラブ』の副部長)を押し付けられたために校舎の屋上に立っていた。
説明するのに屋上にいる必要はないと本が1冊かけるくらいの言葉を費やして説得しようと試みたがすべて失敗に終わってしまった。
まあ、こうなったら開き直るしかないので説明をすることにする。
「まず、予選の会場は全部で4つとなっており、その会場の合格条件を満たした人だけが次の会場に勧めます。また自分が合格できないと思った人は予選すべてをあきらめることを担当の人に申請することでお邪魔要員として参加することができます。
このルールは大会で優勝を狙える人を探し出すという目的から作られましたので、お邪魔要員によって合格できなかった人は恨んだり仕返しをしようと思わないでください。そして最後に合格者の人数は9人とさせてもらいます」
僕の説明によって参加者の皆さんは驚いている。まあ今までの予選はトーナメントのようなものが多かったらしいので、こんなに手の込んだものだというのは考えていなかったのだろう。
「では第1会場のルールを説明させてもらいます。この会場では皆さんの様々な状況に対する対応力を見させてもらいます。これから指令の入ったくじを1000枚皆さんに向かってばらまかせてもらいます。そのくじに書いてある内容をこなしてもらい、合格した人は第2会場に行ってもらいます。
さらに細かい説明をさせてもらいますが1人が持てるくじは1つまで、3回挑戦して合格できなかった場合のみ、そのくじが消えるのでご注意ください。以上で第1会場の説明を終了させてもらいます。みなさん最後まで気を付けて参加してください」
僕が言い終わると同時に丸められたくじが参加者に向かって投げられた。それと同時に僕も持ち場に行くこととする。今回の参加者はおよそ500人、全校生徒が743人であることを考えればかなりの参加率である。とはいえ全員が合格できるはずもなく、いったい何人がこの会場で落ちることになるのやら。
まあ僕たちのほうもある意味大変だし、どっちも大変ということで参加者の人たちも納得してくれないかな。