白と灰の共闘?
「ふふふ。いたずらのためならどんなことでも犠牲にする。それが私なのよ」
「それを人は最悪だと言うんですが………」
よくこの人が今まで店を経営できたな。しかし本格的にやばくなってきたよな。さっきディアが言っていたように今の僕では励ますどころか余計微妙な気分にさせてしまいそうだ。
とはいえよくよく蓮たちを見てみると暗い雰囲気を出しているのは厨房の中だけで客の前では笑顔で明るく振る舞っている。
………そのプロ意識はどこで培ったんだよ。
「まああれを見る限りそこまで店の売り上げは落ちるとは思えないのだがな」
「となると問題は………」
「あそこの席で暗すぎる気配を無尽蔵に出している男たちよねえ」
そうなんだよねえ。あまりにも暗すぎて周りの席にお客様を座らせるのをためらうほどだからなあ。
というかなんでいろはさんはここまでたちの悪いいたずらをしたんだか?
「いえねえ、どうにも蓮ちゃんたちは心の中で一歩引いて父親と接しているようだからそれをどうにかしようと思ったのよ」
「一歩引くどころか断崖絶壁ができたように思いますけど?」
「失敗しちゃってた。てへっ」
「「………」」
「そんな目で見ないでよ!?」
何を言っているんだこの人は年を考えろってんだ。
とにかくこの人はもはや役にはたたないと考えた方がいいだろう。ディアと2人で何とかしなければ。
「ここはとりあえず1人ずつ対処していくしかないのではないか?」
「確かにそれが一番いいかもしれないね。………悪いけどその役目はディアに任せてもいいかい?」
「まあ今の貴様に任せるよりはいいだろうからな。だからと言って我だけに押し付けるのではなく他にも何か策を考えておけよ」
「もちろんだ。任せっぱなしにできるほど僕は無責任な男じゃあないよ」
とりあえずはディアたちが話せるだけの余裕を作るところから始めないとね。さあ仕事を頑張ろう!!
そうして僕らは互いにするべきことを決めそれに一生懸命取り組んだのだった。
side 風宮 瞬
「何か嫌な予感がしますね」
心当たりとしてはあの店で働いてもらっている透君ですか。店長であるいろはさんはいろんな意味で問題のある人ですからね。
今日みたいにギリギリな時こそ任せてはおけないので透君に頼んだんですけど何かあったんでしょうか?
あの店は万が一にでも潰れてもらっては困るのですけど。
本当に行けるのだったら私が自ら行って手助けをしたかったんですけどねえ。
まあ大丈夫だと信じておきましょうか。