『魔法について研究死体クラブ』のこれから
結論から言うと今すぐに退学という話はなかった。どうやら僕の魔法知識というのはかなりのものであったらしく、学校側としては記憶を取り戻す可能性があるうちはできるだけ残っていて欲しいらしい。
「でも、退学にならなくってよかったよね」
「本当にそうだね。僕としても一安心だよ」
「ですが雪白君、今は退学を逃れたといっても1年たっても記憶を取り戻さずに魔法の知識も一定以上なければ退学になるんでしょう?それについては何か対策があるんですか?」
「それについては半年ぐらい様子を見ていく感じかな。それでも記憶が戻らなかったら魔法について調べてみようと思っているかな」
「そうでしたか、その時は私もできる限り手伝わせてもらいます」
「うん、その時は頼りにするよ」
「さてと雪白君の話が終わったところでこれからのことを話していくわよ」
「これからのことって言っても雪白が魔法について何もできなくなっているのに何をするんだよ」
「いやいや奈々ちゃん、私たちのクラブの目的はたしかに魔法について研究することだけど高校生活を満喫することだってあるんだからね」
「そういえばそうでしたねー」
「それじゃあこれからのことっていうのは魔法に関係ないことなのかな?」
「魔法に関係ないってことはないけどこの2週間ほどじゃあないってところだね。まあ何をするかっていうと学校で依頼を受けるんだよ」
「依頼ですか蓮さん?」
「そう、学校の掲示板にそのことをもう貼ってあるからそれを見た人が持ってきた依頼を解決していくんだよ」
「でもそんなに依頼とかって来るものなのかな?」
「確かにな、あたしだって何かあったとしても学生じゃあなくてそういう仕事をしている人に頼むけどな」
「ちっちっち、甘いよ2人とも。私たちに関してはそこらへんのことを気にする必要はないのよ。なんといっても私たちに依頼をすれば奈々ちゃんや茜ちゃんに私といった美少女たちと接点を持てるのよ。これを使わない男子はいないでしょう!!」
「「思っていたよりもひどい理由だ!!」」
「そんな理由で依頼を受けますなんて言ったの!?」
「つうか最初から男子を釣る気満々かよ!?」
「今の時代、先を見据えないとだめなのよ」
「先を見据えてそれなの!?」
「まあまあ雪白君。私たち目当てで来た男子さんには高い報酬を払ってもらいつつ瞬ちゃんか雪白君に相手をしてもらえばいいじゃあないですかー」
「ひどすぎる!!」
紅は思っていたよりもあくどい女性だった。そんなことは知りたくなかったのに。
「まあ最初のうちに男子の依頼を解決していってある程度評判がよくなってきたら用無しだからね」
ここにいる女子はひどい奴だけなのだろうか。このままじゃあ僕の心を癒してくれるのは土屋だけになってしまうよ。
「なるほどそれならいいんじゃあないか?」
「土屋までっ!?」
やっぱりひどい女子ばかりだった。そういえば僕もこのクラブに入るときに騙されて風宮と抱き合うことになっていたんだった。そんな被害者がまた増えようとしているのに、僕は止めなくてもいいのか?
「まあ、話せるだけでも幸せかもしれないもんね」
止めるはずがないだろう。さっきはひどいとか言っていたがそれは自分がされた場合だ。ほかの人が受ける被害なら僕はニヤニヤしながら眺めるとしよう。
「それじゃあこれからまた頑張るよー!!」
「「「「おー!!」」」」
さあ、健全な高校生活を始めよう。