白の疑問と不思議
遠足であったことを黒羽(姉)に聞き、そこで僕たちが戦った(らしい)魔犬との戦いを黒羽(弟)から聞き終わったところで今日の面接時間が過ぎてしまった。それというのも黒羽(弟)の話に連れの少女たちがいちいちほめたりなど話を止めるので時間がかかってしまったのだ。
「雪白君、今日の話を聞いて遠足のことは何か思い出したかい?」
「いえ逆時さん、やはり思い出せません」
「そうか、彼らは明日も来るそうだし、雪白君も3日後には退院なんだからあまり思いつめたりはしないでね。それじゃあ私もこれで失礼させてもらうよ」
「はい、ありがとうございました」
逆時さんが部屋から出ていったところで遠足でのことを考えてみる。まず、僕らが戦った中級魔犬はダンジョンの核というものが一部欠けたものを取り込み普通のものより強くなっていたらしい。今はどうしてダンジョンの核が欠けたのか調査が行われているらしい。しかしそれよりも僕にとって気になることは………
「どうして中学生になるまでの記憶がないんだろうか………」
それが気になり風宮に僕の昔のことを知らないかと聞いてみたが知らないと言われた。逆時さんにはもしかしたら僕は中学生まで毎日を魔法に関することをしており、そのせいで記憶のない可能性があると言われた。だがどうにも違和感がある。今の僕の状況には記憶のない時に原因があるような気がする。
「とはいえ、今はどうにもできないからな」
結局どうしようもなかったためにそのまま寝ることにした。
あれから僕が退院して家に帰ったがそれでも記憶が戻るようなことはなかったし、家にもなぜか中学までの記録しかなかった。さらに僕の家には魔道具に関する魔法式などの記録があるはずだが、それらも見つからないでいた。もしかしたら僕は魔法式などは自分がおぼえているだけだったのかもしれないので、そのことはあきらめて寝ることにした。
そして、その次の日には学校に行ったわけだがそこで黒羽に衝撃的なことを教えられた。
「あっ、雪白君もう学校来てもよくなったんだね」
「まあ、記憶が一部ないだけで体的には問題がなかったからね」
「あれ?でも雪白君って魔力を扱えなくなってたんじゃなかったっけ?」
「ああ、そういえばそうだったけど何か問題がある?学校で過ごす分には問題がないと思うけど」
「普通の学校なら問題はないだろうけど、ここは『魔法学校』だよ。雪白君だって午後の選択授業で魔法を使った戦闘の授業とかとっていたはずだよ」
「えっ!?」
えっなにそれ。魔法を使った戦闘?魔法学校?えっそれってぼくここに通っていいの?