主人公登場っ!!
僕が目を覚ましてから2日が経った。あれから検査をしていくうえで分かったことは2つあった。まず僕の魔法に関する記憶や知識をすべて忘れていること。2つ目は僕は今魔力を取り入れることも使うこともできないらしい。
「やあ雪白君、今日はどうだい。何か思い出せたかな」
僕を担当しているこの人は逆時 悠弥。魔法による被害などを専門としているらしい。
「いえ、すみませんやはり思い出せません」
「いやいや、謝る必要はないよ。むしろ何もできないこちらこそが謝るべきだからね。まあこれは置いておいて今日は君の友達が来ているんだよ」
「僕の友達がですか?でもまだ面会謝絶じゃあないんですか?」
「君の検査もほとんどは終わったから許可が出たんだよ」
「そうだったんですか。で、彼女たちはどこに?」
「部屋の外で待ってもらっているから入ってもらおうか」
「はい、お願いします」
僕が一番ひどいようだが、彼女たちも怪我をしたのだろうし(僕は記憶を失った時の記憶がない)ほかにも僕が失っている記憶のいくつかを聞いてみよう。
「雪白君!!記憶を失ったって聞いていたけど私のことがわかる?雪白君が尊敬していた黒羽 蓮よ!!」
「いや、黒羽僕が失ったのは魔法に関することだけだからね。嘘を吹き込もうとしないでよ」
「雪白君、とりあえず体が無事で安心しました」
「心配させてごめんね風宮。とりあえず無事だから」
「まったく、これで体も無事じゃあなかったらボコしてるところだぜ」
「けが人にそんなことをするのはやめようよ土屋」
「でもみんな本当に心配したんですからねー」
「ああ本当にごめん紅」
クラブのメンバーと話していると僕の知らない人が4人ほどいるのに気付いた。
「ええっと、そっちの人たちはいったい誰なんですか?」
「どうも初めまして。僕は蓮姉さんのいとこの黒羽 仁だよ。それとこの3人は僕の仲間の赤井 萌 水戸 静そして雷 心だよ」
そういって、黒髪の彼、黒羽 仁は赤髪の少女から順に紹介していった。
「どうも、黒羽君。しかし君たちはどうしてここに?」
「実は君たちを襲った中級魔犬を僕たちが倒してね。それであの魔犬について君に教えようと思ってね」
「雪白君は遠足のことをほとんど覚えていないし、私たちにはわからなかったことにも気づけるかもしれないから連れてきたの」
「ふん、仁に分からないことをそいつがわかるわけないわよ」
「こら萌、彼は蓮姉さんが頼りにしてる人なんだ。そんな言い方はないだろう」
「だって………」
「彼に謝るんだ」
「………ごめんなさい」
「いや別に気にしていないからいいけど」
「本当にあんなことを言ってはいけないよ」
そういいながら黒羽(弟)は赤井の頭をなでている。しかもその様子を残りの2人が羨ましそうに見ている。なにこれ、いったいどこの主人公なんだ。
「それじゃあ雪白君遠足であったことを話していくわよ」
「ああ頼むよ」
とりあえず話を聞いてあちらを気にしないようにしよう