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下がる白 人生の虚しさ

 人生とはなぜこうも試練を与えるものなのだろうか。



 それは無意識の悪意によってこの世界が作られているからである。




 なんて言って現実逃避をしたところで何も変わらないので現実を見ようか。

 今回の人生ゲームはなんとマス目が1000万マスあるらしい。僕が全部だと思っていたマップは一部分でしかなかったのだ。

 なんでも茜が言うには『人生というなら長く続いたほうがいいでしょー』らしい。


 そういうわけで僕らの勝利条件が茜の所持金を減らしてゲームから退場させ勝利する方法に切り替えたのだが、このゲームは連携が取れなかったのだ。

 味方の所持金が減ったとしても金を貸すことはできないし、変な職業になっても助けられない。

 そうして僕らはだんだんと自分がみじめな目に合っているときにほかの人たちはそれを見て楽しんでいるのではという疑問が生まれてきた。




 そのためにこうなるのは必然だったのだ。




「よし!!マーガレット見てみろ透がまた金が減ったぞ!!」


「ははっ、調子に乗っているからそうなるのよ!!」


「ルティ、なんでそんなマスにとまるようになったんだよ!!」


「私にそんなことを言ってもしょうがないでしょうが!!」


「ははは、ナインまた金が手に入ったぞ!!」


「このまま億万長者を目指そうよ父さん!!」


「なんで僕だけこんなにひどいんだよ!!」




 地獄だった。


 もはや同じペア同士でもいがみ合いが発生するこの状況、これを茜が計算していたのなら大したものなんだろうけど完全に天然だからなあれは。

 まあそんなことよりもまずは減り続けていく僕の所持金をどうにかしなければ、止まるマスがすべてと言っていいほどの確率で所持金が減るマスにとまる僕はもう残りも少ない。


 このままでは負けてしまう。茜の考えた『運』の試練っていうのも実はなかなか強敵、というか実力が発揮できないという意味では最悪の試練ではなかろうか。

 しかもこの試練は時間もかなりかかるのでいくら現実世界より時間の進みが早いからと言って終わったころには1時間か、下手をすれば2時間ぐらいは経つかもしれない。

 全くもってひどい試練だよ。



 そんなことを考えながら、いい案も何も浮かばないまま、また僕の番が回ってくるのだ。



 現在の状況 30ターン目


 ライト君・マーガレットさんペア

 職業 サラリーマン(ブラックな会社)

 所持金 20万4000円


 ルティ君・フレッド君ペア

 職業 盗賊

 所持金 15万5000円


 アーサーさん・ナイン君ペア

 職業 工場長

 所持金 50万9000円


 雪白 透

 職業 ハ?レ??

 所持金 2万0000円


 紅 茜

 職業 工場長

 所持金 20万1000円

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