ダンジョン探索開始!!
バスに乗って3時間たち僕たちはダンジョンにたどり着いた。僕たちは北側の宿泊施設に荷物を置いた後、魔物狩りの人の話を聞いたのちに食事と風呂を行い遠足初日を終了した。ダンジョン攻略や魔物退治を行う魔物狩りの人の話はためになることが多く、ダンジョンでの過ごし方や魔物に対して1人ならどうするかパーティを組んでいる場合どのような役目が必要かなどを教えてもらった。そして遠足2日目、ついに僕たちはダンジョンに入ったのだった。
「雪白君、あそこに魔犬が2体いるけどほかにも近くにいる?」
「いや、近くにはあの2体だけだよ。」
「なら私と瞬ちゃんで1匹ずつ相手をするから奈々ちゃんと茜ちゃんはフォローをお願い」
「わかりました蓮さん」
「まかせろ、蓮」
「わかりましたー」
「じゃあいくよ!!」
昨日聞いた話から僕たちはパーティでの役割をあらかじめ決めておいた。戦闘力の低い僕を周囲の警戒に当たらせ、黒羽と風宮が前衛そして土屋と紅が後衛である。
「ではいきます。《風の祝福》っ。はああああああああ!!」
「わたしも行くよー。《火の矢》」
風宮は風属性の身体強化を発動させ、自身の速さをあげて魔犬に襲い掛かった。それをぎりぎりのところで躱した魔犬に紅が火の魔法を纏わせたダーツの矢で追撃。ダーツは無事に当たり焦げたにおいとともに魔犬は動かなくなった。
「《土の捕縛》!!」
「十字斬りっ!!」
一方黒羽と土屋は、土屋が魔犬を魔法で動けなくしたところで黒羽が『黒天』で斬った。このときおそらく魔道具の力だと思うが黒羽が斬るときに刀の先端から3分の1ぐらいのところから垂直に刃が生え、魔犬を十字に斬ったのだった。
「よし、これで24体目だね」
「今のところ僕の感知範囲には何もいないよ」
「ではここらへんで少し休憩しましょうか」
「そうね、雪白君は引き続き周りを警戒お願いできる?」
「大丈夫、僕の負担の少ない魔道具を使っているからまだまだ平気だよ」
「じゃあお願いね」
そういうと彼女たちは休み始めた。この『草原』に入って1時間半たったがかなりのペースで魔物の発見から戦闘までを行っていたのでそれなりにつかれ始めているのだろう。
「しっかしよー。魔物を倒しても何も手に入らねえってのは残念だよなー。昔のゲームとかだったら素材とか手に入るんだけどなー」
「まあ魔物は属性色の塊が物質化したものですからね。それなりのダメージを負えば物質化を保てなくなってしまうので残るものもありませんからね」
そう、魔物は風宮が言う通り属性色が物質化したものなので倒したとしても何も手に入れられないのである。そのくせに討伐しておかなければ被害が出るという本当にいいことのないやつである。
「だいたい北の門から1キロくらい入りましたけどー。これからさらに進むんですかー?」
「そうね、このダンジョンの大きさは核を中心に半径10キロ程度だから2キロくらいまで入ってそこである程度倒してから戻りましょう」
「わかりましたー」
「それじゃあ休憩はこれくらいにしてから先に進むわよ」