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白の手助け 白の誘惑

 《テリトリー》による知識の提供によりライト君とルティ君は『太陽』と『月』の属性の使い方を知り、もともと応用もできていたナイン君には個人属性、黒髪の使えるオリジナルの属性について伝えてからは3人が奈々に反撃ができる程度にはなった。


 しかしそれでもまだ奈々に近づくことはできていない。そのためにも落ち込んでいる2人にも働いてもらわないと。


「2人とも何を落ち込んでいるんですか?」


「透君………わたしたちって弱いね」


「俺、何もできてないんだぜ。クラスの中じゃ強いほうなのに全然通用しないどころか何もできないなんて………」


 どうにも面倒だな。正直言って僕にはあまり理解のできない気持ちだがこの2人には大事なことなのだろう。

 頑張って対応してみるか。


「君たちが弱いのは事実だね。強さってのは才能と努力と時間に比例するものだけど、少なくとも君たちは努力はともかく才能はあまりないしね」


「そうね………」


「そっか………」


 あれ?なんか余計に落ち込んだけど僕は何か間違えたかな?まあいいかとりあえず話を伝えよう。


「というか君たちは戦う理由を、戦わなければいけない理由を持っていないだろう。だから同年代でも差が出るし、君たちは奈々に対して何もできないんだ」


「そう………」


「でもそんなの俺だって!!」


 マーガレットさんはまた落ち込み具合がひどくなったがフレッド君はどうやら納得いかなかったようだ。

 しかしここは事実を伝えよう。ここで年を理由に優しくしても後々問題になるかもしれないし。


「君にそんな覚悟はない。僕が言っている覚悟は負ければ死ぬという人たちが持てるものだ。君にそんな人生を歩む気はあるのか?」


「そ、それは」


「だから君たちが戦えないのは何もおかしいことじゃない。少なくともそんな素人に負けるほど土屋 奈々は弱くないよ」


 さてこれくらいに叩けば後はすんなりいくかな?


「でも戦えない君達でも手伝えることはある。どうだい、脇役としてこの戦いを飾ってみるかい?」


「本当にできるの?」


「ああ、僕の話を理解できたなら、もちろん理解できるように話すつもりだけど君たちはライト君たちの手助けができるよ」


 ああ、そんなうれしそうな顔をされると申し訳なってくるね。でもまあいっか。

 ふふっ、これで準備は整った。でも2人とも僕みたいな人間に希望を持っちゃダメだよ。




 世の中はいつでもだれかが助けてくれて、いつでも救われるほど甘いものじゃないと勉強するのもいいものだよね?

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