黒の視点 白と緑の戦い
「すごい………」
ライトが連れてきた人だから普通一般には当てはまらないと思っていたけどまさかここまですごい人だったなんて。
それに雪白さんだけじゃなく風宮さんも十分すごい人だ。ああもう僕はここに入学できるように頑張ろうかなあ。
「ナイ、雪白さんがどうやってあの風の障壁を突破しているかわかるか?」
「わからない。僕には雪白さんが使っている魔道具が銃じゃなくて弾丸だっていうのまでしかわからないんだ」
僕はいままで外交官であるお父さんのおかげでいろんな魔道具を見てきたから魔道具についてある程度は、構造とか効果とかがわかるようになっているけれどあの魔道具は全然わからない。
でも僕にはわからないけれど風宮さんにはわかったみたいだ。
「そういうことですか!!」
「おっと、まさかもうわかっちゃったのかな?」
「ええ、君が連れてきた黒髪の子のおかげでね。その魔道具は『流星』という名前から察するに『弾丸』を『隕石』として扱うものでしょう!!」
そんなことって!?まさかそんなことができるなんて、風宮さんの推測が当たっているならこれはすごいことだ。
「だから私の風の障壁を簡単に突破しているのでしょう。なんといっても隕石は大気圏という壁を突破してなお破壊をもたらすものですからね」
「まさかこんなに早くばれるとはね」
「そう言うというのは私の推測は」
「当たりだよ。瞬の言う通り『流星』は打ち出すものに『隕石』としての概念とかを付加することができる魔道具だ。まったく、偽装のために形を銃にしたりしたのにこんなに早くばらされるとは残念すぎるよ」
僕の予想では茜か奈々まではばれないと思っていたのだけどどうやら旬を見くびっていたようだ。反省しなければ。
「しかし性質がわかっただけで攻略できるほどこいつは優しくはないんだよ」
「ですが防御する手段は見つかります!!《風駆け》」
僕が放った弾丸をさきほどまでとは違い避けた瞬を見て彼の言う『防御する手段』が何かをだいたいわかった。
つまり彼は
「当たらなければいいとでも考えているわけだ!!」
その対応が防御の手段になりえないことを示すために今までよりも弾幕を厚くし、ばらまいて撃つことで点の攻撃から面を制圧する攻撃に変える。
しかしそれすらも移動して避けるのを見て何かがおかしいと感じた。
そもそも瞬は歩いて避けているように見えるのだがそんなはずはない。弾丸を歩いて避けようとしたって避けきれずにあたるに決まっている。
つまり僕の視界は瞬によっておかしくされたのかな?