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黒のできること

 side 黒羽 蓮


「そっちはどうだった?」


「何もできなかったわ」


 透君を倒した私たちはいまだに悠ちゃんたちを追うことができていなかった。どうやら透君が最後に何かをやったようで私たちは一定の範囲内から先へ進むことができなくなっているのだ。


 最初は魔法をいろいろ打ち込んだりとしていたのだが30分もすれば試したいことはすべて試され、何も変わらないという結果が残っただけだった。


「ところで黒羽さん少し聞きたいことがあるのだけどいいかしら?」


「なんですかいったい?」


 そうしてとりあえず休息をとっているときだった、北条さんが私に話しかけてきたのは。


「黒羽さんはどうしてオリジナルの属性を使わないの?」


「オリジナルの属性ですか?」


「ん?」


「え?」


「「………………」」


 気まずい沈黙が流れる。なんだろうもしかして私はよほど知らなければいけないことを知らなかったのだろうか。

 なにやら北条さんも考え込んでいるし、でも私はオリジナルの属性を使わないのと言われてもそんなものはそもそも持っていないのだから聞き返すしかないじゃない。


 結局その沈黙は1分ほどで終わった。再び北条さんが話しかけてきたからだ。かといって私の気が楽になったわけではない、私に話しかけてきた北条さんの顔は真剣すぎるほどに真剣だったから。


「黒羽さんは黒髪についてどれくらいのことを知っているのか教えてもらえる?」


「えっ、それは全部の属性色が使えることと黒髪が生まれるのは珍しいってことぐらいですけど」


「そう、それだけしか知らないのね………」


「ええ、他にあるんですか?」


 私の質問に答えるかどうか北条さんは迷ったらしい。そう簡単に教えることができないことなのか、それとも私が信用できていないのか。とにかく迷うだけのことだというのは分かった。

 そしてわかったうえでそれを聞き出そうとする私は焦っているのかもしれない。


「お願いします北条さん。いま少しでも力になることなら教えてください」


「………黒髪はすべての属性色が使えるでしょう」


 私の顔を見て再び話し始めた北条さんだがなぜか諦めた表情をしているけれど、私がしつこく聞き出すとでも思ったわけではないわよね?


「私たちは属性色を混ぜ合わせて、というかこういう魔法が使いたいと思うだけで作り出すことができるの」


「どういうことですか?」


「つまり黒髪の人間なら本人の素質にもよるけど空間を曲げたり、隕石を落としたり、不老不死になったりする魔法を作って使うことができるのよ」


 そんなことができるなんて思いもしなかった。そして私にも魔法を作ることができるなら。


 そこから先は考えることができなかった。


 なぜなら、私の目の前で北条さんが真っ二つになって赤く染めたか、ら………

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