表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
162/354

4人の決着 勝者は誰か?

 うーん、実戦経験が少ないのにここまで冷静に考えることができるっていうのはすごいなあ。


 僕は禁の話を聞きながらそんなことを思っていた。

 つまりそんなことを思えるだけの余裕が今の僕にはあったのだ。なぜなら彼女の推測は当たってはいたが、だからと言って彼女たち4人程度をこの場にとどめておくことができないなんてことはないからだ。


 僕が今も使っている《正装白衣》の力は『その効果範囲内をすべて正常な状態に保ち続ける』というものだ。つまり体に魔力を取り込むことも放出することも人間の体としては正常にできることだから問題はない。

 しかし魔法で例えば火を出そうとしても本来火が出るはずのない場所で火が出るのは正常ではないと判断され不発となるのだ。


 まあそもそもこの技術は『呪い』など本来そこにないはずのものを消すために作ったものなので、しかもまだ使い慣れていないしあまり使ったことがないので色々と穴はあるのだけど、そこまでは分からないだろうし問題はないだろう。


「それじゃあ君の理論が正しいか試してみるといい」


「余裕ですね」


「君は一応僕の後輩だからね。後輩に優しくするのも先輩の役目さ」


 なんて言っても信じてはもらえないんだろうけどね。まあそうと分かっているからこそ馬鹿にしたように、余裕があるかのように、不可能だと断ずるように挑発するのだけどね。


 さて彼女は乗ってくれるかな?


「そういうことなら」


「普通に剣で刺せばどうなりますかー?」


「!?」


 どうやら禁を意識しすぎていたようだね。まさかこんなあっさりと後ろを取られて腹を聖剣で刺されるなんて情けないにもほどがある。

 ………ああ《正装白衣》のせいでもあるのか。この技術の欠点をまた一つ知ることができてよかったということにしようか。


「さてこれで魔法がまた使えるようになるんじゃないですかー?」


「がはっ、すごいね大正解だよ。よく気付けた、っ、でもそんなあっさりと僕を攻撃してよかったのかな?」


「どういうことですか?」


 ああ、やっと真面目な顔になったね。茜はそっちの顔もいいよねえ。その顔がこれからどうなるか見ものだねえ………


 ということで大本とのつながりを意識して強くし無断で聖剣を手元に呼び寄せる。そうして持っていた『転移の聖剣』と『破滅の聖剣』を取り換えその力を発動する。

 《正装白衣》はすでに解いているので『破滅の聖剣』の力は何の問題もなく発揮され僕を中心とした半径50メートルの空間の接続を滅ぼした。




 そうして力を使い切った僕はギリギリで大本のもとへ帰ることができたのだが、彼女たちはどうするのかを見れないのが残念だね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ