白と茶の集合に向けて
「さてと、こっちは片付いたけど、雪白のほうはどうだ?」
「こっちも回復したよ。それにしてもこの魔法、回復魔法じゃあなくて性質魔法なの?」
「ああ、その通り。土の性質魔法の一つ活性だ。あたしは性質魔法の適性が高くてな」
性質魔法とは各属性の性質を特化させた魔法である
例えば火属性の燃えるという性質を特化させることで怪我を燃やし治すなどということができる
その反面、適性が高くないと使えないのだが
もしや土屋は………いや、これについて考えるのはやめよう
「ところでよ、雪白。お前たしかあたしに鮮やかに勝って見せるなんてことを言ってなかったっけ?」
なんかすごい笑顔で話しかけてきたぞ
しかし、戦闘ならともかく話ではそうそう負けないぞ
「ああ、言ったかもしれないね」
「あの時あたしは雪白と共同戦線が張れると思ってかなり楽しみだったんだけどなー」
「いやいや、僕じゃあ土屋と共同戦線も競争戦線も張れないよ。張れたとしても(前編)ってつくこと間違いなしだよ」
「なんだよ(前編)って」
「雪白君の前座編の略さ」
「自虐ネタっ!?」
「フフフ、いいのさ僕なんてどうせいつまでたっても戦闘員ポジションさ。数をそろえても蹴散らされる奴なのさ」
「おっおい、ちょっといじりすぎたのは悪かったから戻ってこい!!」
「そうさ、僕は結局悪の組織に体をいじられても戦闘員にも勝てないのさ。戦闘員ポジションとかどれだけ思い上がってたんだろうね」
「何を言っても自虐に走るっ!?」
ひょこひょこ
「ん、なんだ。白いヒトガタ?」
「ああ、おかえり。見つかったかい?」
「おい、雪白。いきなり普通になったのは別にいいけどそいつは何だ?また魔道具か?」
「そうだよ。さっき君が戦っている間にばらまいた魔道具《色紙》だよ。予算を探してもらっていたんだ」
「なに、じゃあ集まったのか!?」
「ええっとどれどれ。うん10万ぐらいはあるね」
「10万!?」
「まあそんなに驚いていないでそろそろ集合場所に行こうよ。なんだかんだで1時間半は経ったからね」
「そうだな。それじゃあ行くか」
そうして僕たちは集合場所に向かうことにしたのだった
目的地に向かう途中での会話
「それにしても、ほかの3人は大丈夫なんだろうか?」
「あいつらもそれなりに丈夫だから大丈夫だろ。そもそもあたしらは2人で考え事してたから囲まれるまで気付かなかったんだしよ」
「なるほど、一理あるね」
「まあそれは置いといてさ、さっきの奴らは全員あたしが倒したってことでいいんだよな?」
「まあ、僕は倒していないからね」
「じゃあ、あたしが助けたってことでオメエに一つ貸しだよな」
「えっ!?お菓子くれるの?」
「その菓子じゃねえ!!貸し借りの貸しだっ!!」
「なるほど、じゃあ僕は君をおんぶすればいいのかい?それとも抱っこ?ま、まさかそれとも高い高いなのかいっ!?」
「ぜんぶちげえよっ!!つうかテメエあたしのことを子ども扱いしてんじゃねえよ!!」
「ほーら、たかいたかーい」
「わーいってなるわけねえだろっ!!」
グシャッ
そのあと透は部員のみんなにあごがとても赤くなった顔を見られるのだった