会話だけの1日
「いやいやそれにしても蓮は相変わらず美少女だねえ。僕は君を始めて見たときからただの美少女ではないと思っていたんだよ」
「うざい」
「ははははは、今日の君はやけに厳しいね。でも僕はその程度のことでは傷ついたりはしないのさ!!」
「………えっと蓮、これはいったい何だ?」
「私が知りたいわよ。今日の朝からずっとこんな調子でね、ついでに言えば全部の授業のあらゆる質問に対して完璧以上の答えを返して授業を脱線させるからどの先生も質問を出すのをやめたなんてこともあったのよ」
「………それはお疲れ様ですねー」
「おいおいみんな、まるで僕がうっとうしいかのような言い方はよしてくれよ。君たちはこんな僕のゆかいな仲間たちじゃあないか!!」
「すまぬな、みんな。少し教師に呼ばれて」
「「「「違う!!」」」」
「ってなんだ!?いきなり大きな声を出すな驚くであろうが!!」
「やあやあディアじゃないか!!今日も君は凛々しいというか王の威厳に満ち溢れているねえ!!」
「ディアさん、透君はどうも朝からこんな感じなようで」
「なんだ透、ずいぶんといいことがあったようだな。しかし貴様がここまで喜ぶとはいったい何があったのだ?」
「なんでわかるんだよ!!」
「なに、昔にこの状態の透と会ってな。そのときに教えてもらったのだ」
「教えてもらったって誰に?」
「赤い最強にだ。まあそれは置いておくとしてだ、透がこれほど喜ぶものが何なのか気にはならぬか?」
「「「「確かに!!」」」」
「なんだいなんだい、みんな僕を嫌っている風を装っていても本当は興味津々なんだね!!いいともみんながそこまで僕のことを気にしているというのなら仕方がないねえ。まあとりあえず瞬以外の全員で」
「それじゃあ今日は解散ね」
「「「「お疲れ様でした」」」」
「ふふふふふ、そうやって僕の気を引こうとしたって無駄だよ、今の僕は人とのかかわりを1年は絶てる………って本当に帰りやがった!?っていけないいけない言葉はちゃんと丁寧でなければ」
「って話がそれたな。まあどうせどこかに隠れて僕の話を聞いているんだろう。ならば教えるしかあるまいな!!みんなが僕の1人語りを望むというのならやむを得ない、僕がいかにして今の状態に至ったのかを事細かに説明しようじゃあないか!!」
「つまりこれはいままでになかった発見ということで、これを最初に見つけた奴は面白いとしか言いようがないわけで」
「雪白こんな時間まで何をしているのだ?」
「えっ?織羽先生、どうしてこんなところに?」
「今はとっくに下校時間を過ぎている、私は見回りでここに来たんだ」
「えっ!?いつの間にそんな時間に!?」
「………お前はそういえば今日の授業態度があまりほめられたものではなかったらしいな。ちょうどいいこれから面接といこうじゃないか」
「えっ!?いえいえそんな先生のお手を煩わせる必要なんてありませんよ。僕はこれで帰りますよ」
「そう言うな、生徒のために粉骨砕身の心持ちで働くのが教師だ。お前ひとりたいした問題にはならん」
「………そ、そうですか。よろしくお願いします」