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面倒なイケメン(いざさらば えっまだなの!?)

「ええそうですわ神奈(かんな)様。それがなにか?」


「もしもそいつが『神の職人』ならいったい何歳なんだ?」


 そんなことが聞きたかったのだろうかこのお坊ちゃんは。


 『神奈カンパニー』


 それはこの国であらゆる物を売買している会社だ。魔道具や魔法関連の書籍も扱っている。

 魔道具などは一般的なものならどこでも扱うことができる。しかし『神奈カンパニー』ではダンジョン向けの魔道具などの効果で高性能な魔道具も扱っているのだ。

 その会社の影響力は国内だけではなく他国に対してもかなりのものがある。


 そんな会社の社長の息子(もしかしたら孫だったかも)に興味を持たれるなんて全くもっていい予感がしない。

 頼むよ春香、僕に面倒がいかないよう頑張ってくれ。


「透様なら私たちと同じ年齢ですよ。何か気になることがありますか?」


「あいつが俺たちと同年齢だというなら気になることがある。『神の職人』が活動していたのは俺がまだまだ子供のころだ。そんなときからあいつがあれほどの魔道具を作っていたというのは信じられないな」


 なるほどね、まあ一般的な意見ではあるね。それにこの程度のことならば別にどうということはない。いきなり戦いを挑まれるのに比べれば楽なものだ。

 だって僕が『神の職人』ではないといわれたとしてもどうでもいいからなあ。正直に言ってあまり他人の評価を気にしない人間なのでそこら辺は心底どうでもいいのだ。


 そしてそろそろ帰りたいので春香にはできるだけ早く話を終わらせてほしいなあ。


「まあ別に私としては彼が『神の職人』だと信じてほしいわけではありませんので。疑いたいならどうぞ疑ってください、ただ彼のことを口にした場合神奈様に関係するすべての人に今後魔道具が売られることはないでしょうけど」


「その程度で脅したつもりなのか?別にとびぬけた性能をもつ魔道具が多少なくなったところで問題が起こるはずもないだろう」


「そう思うならどうぞお好きに。ただ私は忠告しましたからね。透様もできればそのことを考慮していただけると幸いです」


「もちろん、今回はかなり世話になるからね。その程度の便宜を図るくらいどうってことはないさ」


 そうまだまだ世話になるのだ、決して世話になったわけではない。僕の意図を察したのか春香の笑顔が一瞬こわばった。そんな顔をしたって遠慮も手加減もするつもりはないけどね。


 春香に手伝ってほしいことなどを考えている間にも2人の会話は進んでいきいつの間にか僕にとってうれしくない方向へと進んでいた。


 そのことに僕が気づくのはすでに手遅れになった後だった。

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