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いざ白王へ(あっさりと解決 そして新たな問題が)

「この部屋が呪いの見つかった場所です」


 そうして連れてこられたのはここに来るまでの間に見たどの部屋よりも立派な部屋だった。


「この部屋はずいぶんと立派ですがいったい何に使われているのでしょうか?」


 何とか復活した蓮が学園長に聞いた。みんな気になっていることだが、どうやらこの部屋は学園の中でも上級と呼ばれる生徒たちが使う部屋らしい。

 なるほどそういう場所なら呪いも生まれやすいだろう。


 ここで呪いについておさらいしよう。呪いとは術式の一種で、普通の術式は大抵が魔道具を作るときに使われる『対象が持つ意味を強化し現実に影響をもたらす』ものである。

 それに対して呪いとは『その場に存在する強い思いを現実に影響が出るよう何かに付加する』ものである。


 つまり術式ではそのものの意味しか使えないが、呪いは意味を付加するものだ。さらに言うと呪いを意図して作ることはかなり難しい。

 僕の知っている限り呪い屋しかできない、それほどのものだ。


 そんなものが生まれたということは1人や2人ではない大勢の人間が同じ感情をこの場で持っていたということだ。

 ………いったいどんな感情が集まったのかあまり知りたくないなあ。


「それじゃあ透君、この部屋に入りましょうか」


「ああそうだ」


「お待ちください!!」


 ………最悪だ、まさか生徒が声をかけてくるなんて。しかもなぜか30人以上はいるし。

 まあ蓮に全部任せておけば大丈夫だろう。


「なんでしょうか?」


「早くこの部屋を使えるようにしなさい。私たちはこの部屋が使えなくて困っているのです」


 しなさい(●●●●)とはね、まあさっさと終わらせたいから言われなくてもそうする………


「私たちはあなたから指図を受けるいわれはないのですが」


 ………蓮さん?ここは何も言わずにさっさと終わらせて変える場面でしょ。しかもほかのみんなもなんだか喧嘩しそうな雰囲気だし。

 ………ここは僕だけで終わらすとしようか。






 結局1人で部屋に入り、中にあった呪いを新しく作った《対術式用テリトリー》であっさりと壊したので部屋から出るとそこは戦場だった。


「どうしたんだい茜、何を照れることがあるというのさ。僕たちは夫婦なんだよ」


「違います、勝手にありえないことを現実であるかのように言うのはやめてください」


 僕が見たのはあの時の勝負のように口調を正した茜と見るからにいいところの坊ちゃんといった赤髪の男が口論している姿だった。

 いったい何がどうなっているのかを瞬に聞こうと動いた瞬間、茜が僕に気付き笑った。


 それを見た瞬間にこの場から急いで逃げようとしたが茜の行動のほうが早かった。


「透君もう呪いを解いたんですか?さすが私の婚約者ですね」

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