紅白対決 白を忘れて火炎地獄?
「そろそろ決着をつけようか。茜には悪いけど僕はこの後宿題を終わらせないといけないんでね、さっさと切り上げさせてもらうよ」
「そう簡単に終わらせたりしません!!」
茜は聖剣の力を無理やり使い自分の周りを炎で囲んだ。そんなことは無駄だというのに僕の《狂装白衣》を破られなければ僕の勝利は揺らがない。その証拠にさきほどまで燃えていた炎はすでに消えている。
「今回の戦いは楽しかったよ。それじゃあね、全てに染まった白に望む、我はこの世の………へ?」
なぜだろう、いったいどうして鎖が現れて僕を縛ったのか、そして縛られた瞬間になぜ《狂装白衣》が消えたのか。
その答えを1羽のカラスから聞くこととなったのはさすがに予想外だった。
「ははは、ざまあねえなあ。あいつがあれほど気にしていたこのガキも結局はこの程度だったんだよ!!」
なぜカラスがしゃべっているのだろうか?どうにもこれは彼(?)の仕業のようだが僕を攻撃するなんていったい誰だろうか。最近は人に恨まれるようなことをした覚えはないんだけどな。
「《燃やしなさいイフリート》!!」
「おっとあぶねえ、そういやあ今ここには黒羽と紅の聖剣があるんだったな。ついでにそれも奪ってやるか!!」
「何を勝手なことを!!そもそもあなたは誰なんですか!!」
いやいやそんなの聞いて答えてくれる奴なんているわけが
「『世界の真実』所属アルファだよ!!」
………まさか自分から言うやつがいたとは。まあいいやアルファって名前を知れたことで僕の魔道具で対処できるようになった。僕を縛っている鎖はおそらく縛った相手の魔力を封じる類のものなんだろうけど僕の魔道具にはそんなのは関係ない、
『ガラスの靴で見つけた姫』
ガラスの靴1つから自分の求めた女性を探し出した昔話から作り出した探索魔道具、それが『ガラスの靴で見つけた姫』である。
すでにアルファという使われている名前を知ることができたのでそれを使って発動する。これで分かるのは探しているものや人のいる方位と距離だがそれさえわかればどういう組織の人間かが見えてくる。
ついでに言えば僕はいつでもアルファさんがどこにいるかを知ることができるのでやる気さえあれば捕まえることができる。
というわけなのでおそらく遠隔操作のできる魔道具であるカラスをいつでも壊してよくなったのだが茜が炎をまき散らしながら戦っているので介入できそうにない。
……………………………ところで茜は僕と戦っていたんだよね?