帰ってきた黒と赤 いきなりの波乱!?
「それではこれより夕日 茜と雪白 透の模擬戦を開始します!!」
「よろしくお願いしますねー」
「ああ………」
………なんでこうなったんだろうか?
蓮と茜が学校に来ないまま1週間が経った。あれから僕たちは4人でクラブのことを話したり、なんだかんだで結局告白できなかった瞬をいじったりしていたが全員がそろわないのでいまいち盛り上がりに欠ける結果となっていた。
「久しぶりね透君」
………この声は!?
「確かにね、久しぶりに会えてうれしいよ蓮。君がここにいるといいうことは茜も一緒に帰ってきたのかな?」
そう、僕の後ろにいたのは蓮だった。しかし1週間前と比べるとどこか大人っぽくなっている気がするけど何をしていたんだろうか?
「ええ茜ちゃんも一緒よ。まあ茜ちゃんと会ったら透君はかなり驚くことになると思うけどね」
「へえ、それは楽しみにしておこうか。ところで蓮たちはこれから補習なのかい?」
「補習?………ああそういえば補習を受けないかって聞かれたけど先週までのところは全部学習してたからしなくていいことになったのよ」
「なん………だって………?」
こ、これが持つ者と持たざる者の差だというのか!?僕はそもそも受けるかどうかなんて聞かれなかったのに………
「それじゃあ久しぶりに一緒に授業を受けましょうね」
「う、うん………そうだね」
その後の授業に普通についていっている蓮を見て勉強に対するプライド(もともとあまりなかった)が粉々に粉砕されてから放課後、蓮と一緒に部室に向かっていた。
部室に行きながらこの1週間は何をしていたのか、そもそもなんで残ろうとしたのか、好みのタイプは何だっけ?など質問したのだがどれも『秘密』と言われて聞くことができなかった。
こうなったら茜に聞こうと部室を開けたら(ちゃんと入っていいかは確認した)ちょうど茜がそこにいた。
「透君、お久しぶりですー」
「久しぶり茜、元気だった?」
「はいー、私はいつでも元気ですよー。ところで話は変わりますが、私と戦ってください透君」
「ああいいよ、茜の頼みならなんで………今なんて言った?」
「雪白 透に紅家次期当主、紅 茜が勝負を挑みます。この勝負で勝った者は負けた者に1つ何でも命令できるという条件付きの勝負をお願いします」
………まさか蓮が言ってたのはこのことじゃあないだろうね。
「紅家次期当主は君じゃあなかったはずだけど?」
「お兄さんとお姉さんから実力で認めていただきました。私なら紅家をまかせられるとお父さんからも保証付きです」
「それなのにさっきの条件で僕に挑むのかい?」
「はい、私は友達同士で殺し合いなんてしてほしくないんです」
覚悟は本物のようだ。なら僕はこう答えるしかないな。
「わかった、その勝負は最後の雪白として受けさせてもらう」