4色の日常
校長先生の地獄の補修が終わり、放課後。補習により精神的にボロボロになった僕はクラブに行かず帰ろうとしたが大変なことを思い出したので部室に向かうことにした。
「誰かいるかい?」
「ああ、入っても大丈夫だぜ」
奈々のお許しが出たので女子が部室で着替えているなどといったことはないのだろう。安心して部室の扉を開ける。
………目の前に筋骨隆々、まるで肉の塊のような瞬の着替え途中の姿がそこにはあった。
「じゃあまた明日ー」
さて明日は普通に授業を受けて普通にクラブを行おう。
「いやいや、ちょっと待ってくださいよ!!なに帰ろうとしているんですか!!」
止められた。正直なところこれ以上精神的に何かあったら発狂するんだけどなあ。
「僕は補習で精神がズタボロなんだ。頼むから今日は優しくしてくれ」
「しょうがねえなあ、まあ確かに瞬はやりすぎだったな。悪かった透」
「反省しているならそれでいいよ。ところで蓮と茜がいないみたいだけど今日は休んだのかい?」
「ちょっと待って下さい!!なんで私がそこまで言われなければいけないんですか!!」
「そんな漫才はどうでもいいわっ!!」
ディアの一言で強制終了。途中で瞬が何か言っていた気がするが気にせずいこう。
「透、今日こそは《テリトリー》を教えてもらうぞ」
「あれ?教えていなかったっけ?」
「教えとらんわ!!教える前に呼び出されたのを忘れたのか!!しかも我は貴様のせいで巻き込まれたというのに1人で先に帰りおって、あれからすでに知っている貴様の過去の話を聞いて結局帰ったのは10時過ぎぞ!!われの予定がすべて狂って課題が終わらぬかと思ったわ!!」
なにやらすごい怒っているのは伝わってきた。とりあえず怒りを鎮めるためにも《テリトリー》を早く教えよう。
「全く貴様というやつは………これは、貴様がやったのか?」
「これが本来の《テリトリー》の使い方だよ。これで約束はちゃんと守ったからね。ところで瞬、聞きたいことがあるんだけどいいかな?」
「なんですか?」
「夕日ちゃんとどこまでいったのさ?」
「!?ゴハッ!!ゴホ、ゴホ!!………い、いきなりなんてことを聞いてくるんですか!!」
「いや待て瞬、それはあたしも興味がある」
「ほう、夕日というのはあの生徒会の小娘のことか?しかし瞬があやつのことを好きとはな」
「乗ってこなくていいですからね!!透君もさらにあおろうとしないでください!!」
「透、お前から見てどこまでいってると思う?」
「多分もう告白した後だよ。それでうまく付き合えることになったけど気恥ずかしくて報告できなかったんだろう」
「いや待て透、すべての告白が成功するわけではないぞ。風宮自身は上等な人間だと思うが『風宮』の名で断られる可能性があるからな」
「その話題で盛り上がらないでくださいよーーーーー!!」
そうして僕たちの瞬いじりは続いていった。