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現在の罪 …

side 黒羽 仁


 なぜ人は生きていけるのだろうか


 自分の行動がどんな結果となって表れるのか分かっているのだろうか


 もしそうならどうして僕はこんなことを起こしてしまったのだろうか






 最後の場所、つまり萌がいる場所では萌がいた。

 1人は腹を焼かれて倒れている。

 1人は顔が焼け爛れて倒れている。

 1人はすべてが炭となって倒れている。

 無数の萌がそこには倒れていた。


「そんな、どうして」


 なぜ誰も立っていないんだ。雪白君の説明なら2人の萌が戦っているはずだろう?

 なのになぜ?どうして?


「ここで現在の罪は最後だよ。どうだいこの場所は?」


「僕の感想なんてどうでもいい!!そんなことよりも萌はどこにいるんだ!!」


「?………何を言っているのさ、彼女ならそこにたくさんいるじゃあないか」


「なにを………言っているんだ?」


 彼は何を言っているんだ?わからない、わかりたくない。だって彼が言っているのは………


「彼女はずいぶんと君に飲み込まれていたからね。ほかの2人よりもずいぶんと早く終わったんだよ。君の幻影に『がんばれ萌』って言わせたらどちらも張り切ってくれたのさ」


「そんな………僕のせいで、萌が?」


「そうだね、そういうことになるね」


「萌だけじゃなく凜や心も僕のせいで?」


「そうだよ、君と関わることがなければ彼女たちはこんな目に合うことはなかった」


「僕がいたから?じゃあ僕さえいなければ」


「そうだね、君がいなければ悪いことは起こらない」


 やっぱりそうなのか、僕がいないほうが世界のためなんだ。それなら僕は………


「でも君が死ぬ必要はないんだよ」


「えっ?」


 彼は何を言っているのだろうか?僕がいなければ何も起こることはないのに。


「君が今まで罪を犯したのは誰も君を導かなかったからだ、君の父親も黒羽一族も君に何も教えなかった、だから君は間違えたんだよ」


「誰も僕を導かなかった?」


「そうだよ、だから僕が君を導いてあげるよ。だから君は生きていいんだ」


「生きていてもいい?」


「そうだ…、君は…の………りにすれば……………」














「仁、しっかりせい。これから話すのは雪白 透の原点と言えるほどのものなんじゃからな」


「えっ?………ああ、大丈夫ちゃんと聞いているよ」


 あれ?さっき何かあったような気がするけど何だったんだろうか?




side 雪白 透


 やれやれあと少しだったんだけどうまくいかなかったか。しかしこの魔道具に干渉したってことはあらかじめ彼に仕込んでいたってことか。

 全く厄介なことをしてくれる。しかも彼をここから逃がすと同時にこっちを攻撃するなんて本当に面倒だ。

 生まれて半日も経たずに消えるなんて本当に残念だけど僕の情報を大本に送って有効に使ってもらおうか。

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