表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
112/354

現在の罪 水戸

side 黒羽 仁


 どうして僕がこんな目に合わなければいけないのか。

 僕がやったことの結果ではなく、父さんの罪のせいでこんなに苦しめられている。

 そうだよ僕が悪いんじゃない。


 僕が悪いんじゃないんだ。






「………ここは寝室か?」


 寝室、寝るための部屋、休むための部屋。しかし僕は確信を持つことができなかった。

 なぜならそこには色とりどりの数えきれないほどのベッドがあったからだ。


「とりあえず歩いてみるか。ここに萌か凛がいるはずだから早く探さないと」




 およそ30分後、僕は5メートルくらいしか進めていなかった。なぜか目に入るベッド全てに引き寄せられ全く進むことができなかった。

 1つのベッドから離れるのに10分、離れたときに目に入ったベッドに再び引き寄せられる。それを繰り返し、進むことができないのだ。


「く、早く見つけないといけないのに………はやく、グゥ」






『このまま一緒に寝ていようね』


『はい、仁君と一緒なら何でもいいです』


「これはどうなっているんだ?」


 僕はベッドで寝てしまったはずなのにどうして僕の目の前には僕と臨がいるんだ?


『ほらもっと深く寝るんだ。二度と目が覚めないように』


『はい………仁君と一緒なら何でもいいです』


 はっ!!疑問の思ている場合じゃない、早く助けないと!!


(凛!!目を覚ますんだ!!)


『さあ僕がいるからもっと深く心を閉ざすんだ』


『はい………仁君と………一緒なら………なんでも………いいです』


(凛!!くそっ声が出ない!!)


 僕はまたどうすることもできないのか!?


「そりゃあそうだよ、もう終わったことなんだから」


「雪白君!!終わったというのはどういうことなんだ!!」


「そのままの意味だよ、水戸さんは君にずいぶんと魅了されていたからずいぶんと簡単に終わらせることができたよ。君の幻がそばにいて、それに命令させるだけでおとなしく従ってくれるのは楽でよかったよ」


「………僕のせいだっていうのか?」


「いや、そんなことはないよ。君は何も悪くない、しいて言うなら運が悪かっただけだろう」


「僕は悪くない?」


「そうだよ君は悪くない。ほら次で現在の罪はおしまいだ。早く行くといい」


「………そうだね行ってくるよ」




side 雪白 透


 相変わらず脆いなあ。そういうところも父親と一緒なんて生まれ変わりだったりするんじゃないのかな?

 まあ生まれ変わりだったらこんな遠回りなことをせずにすぐ終わらせるんだけどさ。

 もう半分以上進んだだけあって浸食もなかなか進んでいる。このまま僕の思い通りに行くとうれしいなあ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ