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現在の罪 雷

side 黒羽 仁


「やめてくれ、もうやめて………」


 僕の心はすでに折られていた。ほかのだれでもなく僕が悪いのだと理解させられた。

 だから僕は………






「いきなり落とされるなんて思いもしなかったな。とりあえずここでまた何かを見せられるんだろうから心を強くしておきたいね」


 僕はこの時まだわかっていなかった。もしわかっていたならすぐにでも逃げようとしていただろう。

 でも実際は気づくことなく進んでいき(真っ暗で何も見えなかったがとりあえず足を動かしていた)僕はまず心と会った。


『仁、大好き』


『僕は君を愛してるよ心』


『ん、私も』


「心!!くっ、また触れないのか」


 つまりさっきのようにこれを見ていろということなんだろう。しかし僕の目には心と僕がイチャイチャしているのが映っている。

 これを見続けるのはかなりきついんだけどと思いながら2人の話を聞いていく。


『あ、心。僕たちをつなぐ火が消えてしまいそうだよ』


『大丈夫、私の命を使ってまた燃やすから』


『ありがとう心、この火が消えない限り僕は君のものだからね』


『うん、私は仁のためなら何でもするよ。邪魔になる人は消すし、仁のためなら私のすべてをささげられるから、私だけを見て』


『ああ、君は僕のためだけに生きていればいいんだ。僕の道具のように生きて、そして死んで行け』


「何を言っているんだ!!心、正気に戻るんだ!!」


 いくら干渉できないと分かっていても言わずにはいられない。そんなひどいことを心が了承するわけがない。しかし今は精神系の魔道具で操られているから言ってしまうかもしれない。

 それによりさらに命を削られたら助からないかもしれないと思い、心が拒絶することを望んだが、


『はい、私はあなたの言う通りにします。だから捨てないでください』


『いい子だ、こっちにおいで』


「心!!待て!!待ってくれ!!」


 幻の僕が心を呼ぶのと同時に心たちが遠ざかっていく。何とか近づこうとしてみたがすべて無駄だった。


 そして僕は次の犠牲者を見ることになるのだった。




side 雪白 透


 さあ1人目はこれで終了。それにしても雷家の人間ならそれなりに精神は防護を施しているはずなのにどうしてこんなことになったのかなあ?

 まあ理由は分からなくても僕の術中にいるからには自力での脱出は不可能だからどうでもいいことではあるけれど。

 ………やっぱり気になるなあ、次に会ったときにでも確かめてみようかな?

 というか僕が目を覚ましてからまだ1日も経ってないんだよね………

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