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現在の罪

side 黒羽 仁


「そんな………僕の中に聖剣があるなんて」


「それじゃあ次の罪を見に行こう」


 僕に驚く時間さえくれず雪白君は再び周りの風景を変えた。そして見えたのは自分と戦っている萌たちだった。


「これは、どうして………」


「これが現在の罪、君が引き起こした戦いの結果だよ。赤井に使った『鏡に映ったのは誰だ?(ドッペルゲンガー)』は対象の意識を分割して戦わせる魔道具でね、分割された意識どうしは戦いあう、その戦いで勝ち残った意識をまた分割して戦わせる。そうして意識を完全に消耗させて操りやすくする魔道具なんだよ」


「くっ!!これを見せてどうするつもりだ!!早く進めてみんなを解放しろ!!」


 こうしているうちにも萌たちは死に向かって進んでいるんだ。早く助けないと。


「まあ落ち着くといいよ。今ここは現実の時間よりも早く進んでいるんだ。いま見せているのは君がここに来る少し前の映像で、ここにいる間はほとんど状況は変わらないからゆっくりしていても大丈夫だよ」


「………それは本当かい?」


「わざわざ嘘をつく必要は僕にはないんだよ。僕にとっては彼女たちのことなんてどうでもいいんだしね。で、水戸と雷に使った魔道具の説明をしてもいいかな?」


 たしかに彼の言う通りかもしれない。そもそも萌たちを殺す気なら(そんなことは絶対にさせないが)とっくにできていてもおかしくはない。

 ここは信用していいだろう。


「………わかった、説明を続けてほしい」


「それじゃあ説明しよう。水戸と雷に使った魔道具はどちらも幸せな夢を見させ続ける魔道具でね。水戸のほうは目が覚めることなく体を衰弱させていき、雷のはより幸せな夢を見るために自分の命を削り続ける、そういう魔道具さ」


「………それで終わりかい?それなら次にい」


「だから早まるなって、君の罪はここからだ。これから君は彼女たちがどういう思いで僕の魔道具に踊らされているのか見てもらうんだよ」


「何を言っているんだ?萌たちは君の魔道具に操られているだけだろう。それをみたところでどうというわけでも」


「いいからさっさと行ってくるんだよ!!」


「うわあああああああああああああ!!」


 なんでいきなり穴が開くんだああああああああああ!!




side 雪白 透


「やっと行ったか」


 彼はいつまで耐えられるのかな?まあ耐えきられても問題はないけどどうせなら壊れてほしい。

 とはいえ僕が願ったことは最近全然かなわないから期待はしないでおこうか。

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