白と茶の競争戦線(前編)
「よしっ、雪白行くぜっ!!」
「了解っ!!」
土屋と一緒に作戦通りに東側に向かいつつ予算がないかを探すが見つからない
というより一つ大事なことに気が付いたので僕の前を走る土屋に聞いてみる
「ねえ土屋、聞きたいことがあるんだけど。」
「なんだよっ。」
「予算の紙ってさ、どれくらいの大きさでどんな形なの?」
「………。」
ドンッ!!
すさまじい音を発生させながら急停止した土屋だがなぜか顔があおい
これはもしや………
「土屋、もしかして知らないの?」
コクッ
うなづかれた
土屋がうなづくとその見た目もあってかわいらしいなーと思っていると下を向きながら話しかけてきた
「ほっほら。あたしたちのクラブって今年に蓮が作ってしかも部員も全員1年だろだから知らなくても当然だろっ?」
いいわけだった
別に僕も知らないのだから責めたりすることはないのに途中で息継ぎすることなくすごい勢いで話している
とりあえず、何とかするために土屋に話しかけてみる
「まあ、別に責めたりする気はないからどうするか考えよう。目につくような大きさならいいけどそうじゃないなら見逃すこともありそうだしさ。」
「あっ、ああそうだな。じゃあどうやって探そうか。」
「そうだね………っ!!」
「こいつはっ!!《土壁》」
二人で考えていると僕の右手側から火の玉が襲ってきたがそれを土屋が壁を作り防いでくれた
しかし今になって気づいたがどうやら囲まれているようだ
「いったいなにもんだテメエらっ!!」
土屋の問いかけに反応して一人の男が出てきた
「どうもはじめまして。わたしはクラブ『一高魔法研究会』のものでして、あなたたちにはこれから脱落していただきます。」
『一高魔法研究会』それはこの学校で一番部員の多いクラブだったはずだが
「もしかして、参加者を削ってから予算を手に入れる気ですか!?」
「おや、ばれちゃいましたか。まあいいでしょう、いまなら降参すれば怖い目を見ることなく終われますよ。どうしたいですか?」
今僕たちを囲んでいるのは20人ほど、色を見る限り火属性が13人風属性が7人といったところだが、おそらく一年しかいないということはないだろう2年や3年などには知識的には負ける気はないが戦闘経験では心もとない
(雪白ちょっといいか)
(なんだい?)
(あたしが火属性の奴らを抑えとくからお前は風属性の奴らを相手できるか?)
たしかに逃げ切るのが難しために戦うしかないが問題は
(13人を抑えていられるのか?相手はおそらく一年だけじゃないんだぞ)
(あたしは『土屋』だぜ。それくらいはできるように育てられてるよ)
『土屋』、それはこの国においては特別な姓だ
紅 土屋 水戸 風宮 雷
本来髪の色は親と子でも違うものだが、この五つの家は何らかの方法を用いて特定の一色の子しか生まれないようにしているのだ
それによりその家にはその属性での魔法や戦い方を研究しきわめていっているのだ
それを考えると、たしかに土屋なら抑えていられそうだ
しかし問題は僕が7人を相手にして勝てるかだが………
(後の7人は僕に任せろ。鮮やかに倒してやるよ)
(いったな。じゃあどっちが先に倒しきれるか勝負でもしようぜ)
(後で負けて泣かないでよ)
(誰がまけるかっ!!)
これからの方針を決めたところでこのグループのリーダーらしき人に向き合う
「おや、ようやく決心しましたか。私たちも暇ではないのでそろそろ限界でしたよ。」
「そうですか、それはすみません。これから負ける人たちに対して礼儀がありませんでしたね。」
「ほう、ならば私たちと戦うと?」
「ええ、たおさせてもらいます。」
そういうと同時に赤髪の人たちを土の壁が囲んだ
「雪白、これであたしはお前を手伝えないからな。助けてーとか情けない声出すんじゃねえぞ。」
「了解、そっちこそいつでも助けを求めてもいいんだよ?」
「きさまら!!残った人数で一斉にかかれ、それでも7対2だ。」
「いやいや、あなたちの相手は僕だけですよ。」
僕はポケットに入れていた40枚のお札を取り出してそう言った