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なるべく音を立てないようにここから移動しよう。
今まで以上に慎重に進んだ。
10メートル程度進んだだろうか。
先ほどの魔物が私がいたところを探っている。
気づかれたら一貫の終わりだ。
なるべく早く、慎重にここを離れたい。
焦ってはいけない。
焦っては慎重さを欠く。
巻いただろうか?
先程の魔物の気配は無い。
ところで重要なことに気づいてしまった。
魔物を振り切るのに夢中で現在位置がわからない。
最悪だ。
戻るか?
いやだめだ。
ここで戻ったら逃げてきた意味がなくなる。
進むしかない。
そうするとセーフティーエリアに戻ることは不可能であろう。
これは私の憶測であるが私がいた場所以外にもセーフティーエリアは存在するだろうと思われる。
それも多数あるだろう。
なぜならたったひとつのセーフティーエリアが私の町だけに作られるなんて奇跡は想像しがたいからだ。
憶測と言ったがこれはむしろ他にセーフティーエリアがあってほしいという願望かもしれない。
だが願望にすがる以外私には気力を保つすべはなかった。
少なくとも現在私にとれる選択は直進以外に存在しないということだけはわかっている。
なら考えてても仕方がない。
ただ進むだけだ。
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どれくらい進んだだろうか。
食料は尽きた。
水ももうない。
私は今信じられないものを"見ている"。
それは世界中の光を集めたかのような明るさであった。
城と呼べばよいのだろうか?
子供の時連れていってもらった王都の城よりはるかに大きな構造物が存在していた。
罠かもしれない。
頭ではわかっていてもそこに行かないという選択肢はもう残されてはいなかった。
その幻想的な構造物に向けて光に吸い寄せられる昆虫がごとく私は進んでいった。
前方に魔物がいるのを認識したがこの数時間の行軍で身に付けた無音移動の能力の前では魔物などもう敵ではない。
私は門をくぐりその構造物の中に進んでいく。
入り口とも言える巨大なホールから階段を進み上に上がる。
いくつもの通路から適当に一つ選択するとまずはそこを進んでみることにする。
通路も左右には幾つもの扉があるがどれも鍵がしまっているようで開くことはない。
しばらく進むと厨房と思わしき場所に出た。
おびただしい魔物の数である。
黒色の怪物が何か赤色の物を切り刻んで焼いて皿に乗せていく。
それは人間であった。
いや、人間であった何かである。
吐き気を堪えるのに精一杯であった。
ここで音をたてたら私も肉塊と同じものになってしまう。
私はこの場所を速やかに離れることを決意した。
先程の通路を戻る。
ガチャリ。
後方で鍵が開く音がした。
恐る恐る振り替えると魔物が扉から出てくるところに出くわした。
あちらは気づいていないようである。
慌てて通路の端によって魔物を避ける。
魔物が扉を閉める直前部屋の中を一瞬だけ見てしまった。
そこは真っ暗であったがベット等生活用具が揃っていることが確認できた。
この建造物は魔物たち居住区といったところであろうか?
玄関ホールに戻ると先程の通路に料理をのせた皿を運ぶ魔物たちが現れた。
気になった私は運搬係の魔物を待ちそれに付いていく事にする。
階段をさらに上って三階の通路を進んでいく。
今度の通路には扉は存在していなかった。
通路を抜けもう一度階段を上りさらに通路を一つ抜けた。
豪華な長テーブルが設置されている部屋に出た。
白いテーブルクロスがかけられている。
料理はそのテーブルの上に並べられた。




