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ぴんぽんぱんぽん♪





 


 

 その後、翌日になって。運営SIDEからの、初の通達があった。


 矢張り、ログイン中のスタッフも、プレイヤーと大差無い状態であろうことはその慎重な発言から窺い知れた。

 ログアウトは不可能、外界との連絡は出来ず、現実世界での状況は矢張り判っていないようだった。無論、そうとはっきり伝えてユーザーを更なる不安に落とし込むような愚は犯さず、その辺りは非常に回りくどく暈かしてはいた。が、誰もが、GMですら現状から脱出出来ないのだ、と思い知らされることとなる。

 スタッフは、ゲームの中である程度の権限はあるようだったが、ゲームシステム自体を弄ったりすることは出来ないようだ。ゲーム内に入ってトラブル解決に当たったりする仕事が主だったりするスタッフに、内部システムに入り込めるような仕様にはそもそもなってないのだろう。

 丁寧に真摯に、事態収束まで、何らかの助けが来るまで、現実世界側からの接触が可能になるまで、この世界で落ち着いて待っていて欲しい、と。

 言っているのはつまりそれだけだった。スタッフも出せる情報はないか、もしくは、出そうにも出せない状態なのか、どちらかだったのだろう。


 ただ。

 その後、これは全く言葉を濁さず簡潔に伝えられたこと。

 そのことだけで、全プレイヤーが、運営を高く評価したことは間違いない。


 スタッフのうち、誰かが。

 文字通り決死の覚悟で、ゲーム内での死亡はどういった結果をもたらすのか、というのを実験したらしい。

 その結果が公式として、運営として、間違いない事実である、として、発表された。

 スタッフにとっては、遊びでなく仕事ではある。が、だからといって命を賭けるようなものなのか、といえばそうではない。彼にしてみればただ、万に届く人数が不安になっている現状を、何とかしたいという気持ちがただ強かったのだろう。

 結果は。

 そのスタッフのキャラクターは、眠り草を自分に使った後、火山火口に飛び込んだ(寝た途端落ちるようにした)らしいが、気付いたらその一番近い街の神殿にぼんやりと跪いていた、ということだった。


 ゲームの中で死んでも、今までの設定と変わらず、最寄りの神殿で復活出来る。


 その後、更に、スタッフ同士でPK戦を行い、どちらかが死亡した後、生命復活の魔法、およびアイテムなども使用、どれも問題なく生き返ることが確認されたそうだ。

 全プレイヤーが、全くまだ、事態の収束は見えていない、もしかしたら何も判らないこの状況はまだ始まったばかりなのかもしれない、と判ってはいても、この結果が発表されたことで、とりあえずの不安が払拭され、世界中の空気が目に見えて和らいだのは確実だった。


 デスゲームじゃない。

 死なない。

 死んでも、ちゃんと死なない、生き返れる。


 ゲームでは当たり前のこの事実が、狂喜と共に受け入れられ、後、しばらく、火口飛び込みツアーが流行ったという。

 TSOのデスペナは、そこそこ厳しいのにも拘わらず。だから阿呆な話だが。まあ、余程ほっとしたのだろう。




 ちなみに、勇気あるGMキャラのアバター名も、スタッフ名も、何処にも流れてくることはなかったそうだ。

 

 




読んで下さって有難うございます。

何かありましたらお気軽にお伝え下さいね!


男女どっちかに話は偏らせた方が良いんでしょうか。

どちらの方が、より、読みたいと思ってもらえてるのか、わかんないのですけども。


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