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0 それは始まりであり序章であると人は言った

そこが「どこ」で「誰」の事なのか、それは「貴方」なのかも知れない?


 それは、特別でも何でも無かった。

 極々普通の、日常の光景。


 毎日寝起きした部屋。

 毎日通った道。

 毎日出会った顔、たまに会う顔、会わない顔。


 たわいもないお喋り。

 もう、次の瞬間には忘れている。


 興味もなく食べた物。

 数字以外は気にならない。


 望んでいるわけでもなく聞く声。

 こちらからかけた事は一度もない。


 あえて言うのならば、それが世界の全て。

 見るわけでも流れる箱の中、脳裏に引っかかったものが生きている間に役に立つかなんて誰にも判らない。興味もない。


 覚えてもいない噂話。

 でも話を聞いているフリとあわせる技術は年々向上していく気がする。


 特に何かを思うでもなく。

 ひたすらに求める物があるわけでもなく。

 まるで流されている最中の様な流れの中で。

 ただ体も心も浸していて。

 そんな事が。


 幸せだったのだと。

 知った時、全てが遅かった事を知った。


 毎日を過ごした建物が。

 いつも話していた相手が。

 望まなくても流れていった情報が。


 震えて。

 揺れて。

 混ざって。

 渦を巻いて。

 溶けて。


 消えた。

さようなら、と誰かが言った

それは誰なのかと心が思った

再び出会う日は…

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