野球部と爆弾。
「主将、見て下さいよコレ」
「ん…?何だこれは?」
「爆弾ですよ」
「はい、爆弾ですね……じゃねぇーよ!なんで爆弾がうちの部室の前に!?」
そう、なんと爆弾がある高校の野球部部室前に仕掛けられていたのだ。
「はっ、まさか他校の野球部が…」
「それはないですよ、主将。俺ら大会はいつも初戦負けじゃないですか」
「そういうことを真顔で言うなよ、マネージャー兼ピッチャー。悲しくなるだろ」
「ピッチャー兼マネージャーです。マネージャーはあくまで副業ですから」
「そういうのはスタメンに選ばれてから言えマネージャー。話を戻すが、一体誰がやったんだ?どう思うワトソン君」
「スタメンじゃなくてもピッチャーはピッチャーです」
「しつけーな、お前は!!!」
「あ、紙が落ちてますよ。そこの裏側に」
「マジだ。これ触っても大丈夫なのか?」
「まあ、大丈夫だと思いますよ。見た感じ時限爆弾で、まずスイッチが入ってないですし」
「ほ、本当だろうな…?」
爆弾の裏に置いてあった紙には汚い字でこう書いてあった。
~ゴミ演劇部~
「こ、これは…!」
「なんですか」
「この幼稚な悪口…演劇部への強い恨みを感じる…まさか演劇部を狙った犯行では!?」
「確か演劇部の部室は隣ですけど」
「分かったぞ!演劇部を狙ったつもりが、部室を間違えてしまったんだ!」
「う~ん、でも普通間違えますか?」
「夜の間に置いたから場所が分からなかったんだろう。あぁ、きっとそうだ!くそー関係のない野球部にまで被害が及ぶところだったぜ」
「演劇部の部室を爆破してもうちに被害出ますって。隣ですし…そもそもスイッチが入ってないんですよ?」
「…スイッチを押し忘れたとか?」
「ダメ過ぎるだろ犯人。何一つうまくいってねぇよ!」
「とりあえずスイッチが入ってなければ安全なわけだから、先生に伝えて、すぐに練習行くぞ」
「はい、次の試合負けられませんからね…」
教員室に行こうとする二人の前に用務員の人が現れた。
「あー、回収して欲しいゴミってこれね~。あー重い、そこの二人手伝ってくれる?」
「あ、それ危なっ!爆弾ですよ!?」
「は?」
「いや、それは演劇部を狙った爆弾…」
「なーに言ってんの、ここにゴミ、演劇部って書いてあるじゃないの。ふざけるのはやめなさい」
「…はい、ゴミですね」
完。