表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

伊達と富澤の数学教室コント 第4弾 ~虚数単位I(アイ)って何だ!?~


(舞台には黒板。伊達はなぜか虫眼鏡を持ち、富澤は腕組みをしている。)


伊澤: どうもー!サンドウィッチマンでーす!今日も数学の授業、張り切ってまいりましょう!


富澤: (虫眼鏡を覗き込みながら)どうもー。今回は何を見つけるんですか?


伊澤: お前、虫眼鏡で何を見ようとしてんだ!今日はな、数の世界をさらに広げる、とっておきの話を教えてやるぞ!もしかしたら、見たことない数が好きだってやつもいるかもしれねぇからな!


富澤: そんなやついますかね?


伊澤: いるんだよ!まずな、復習だ!富澤さん、ここに「Xの2乗=3」っていう方程式があるだろ?これ、Xの値は何だ?


富澤: えーと…ルート3、っすか?


伊澤: そう!そう思うだろ!でもな、実はこれ、「有理数の範囲」だと解がないんだ!


富澤: え!?ルート3って、分数で表せない数、ですよね?


伊澤: そう!有理数ってのは、分数で表せる数のことだからな!ルート3は分数じゃ表せない、永遠に続く循環しない小数だ!だから、有理数の中には「ルート3」はいないんだよ!


富澤: あー、なるほど。じゃあ、なんで俺、ルート3って答えたんだろう?


伊澤: それはな、お前がいつの間にか、数の範囲を「実数じっすう」まで広げてたからなんだ!無理数むりすうもOKにした途端、ルート3っていう仲間が増えたんだよ!


富澤: へぇー、知らねぇうちに世界が広がってたんすね。なんか、最初にマイナスの数を考えた時みたいな衝撃だ!


伊澤: その通り!昔はプラスの数しか扱えなかったけど、マイナスを許した途端、数の世界が倍以上に広がっただろ?それと同じことを、今からまたやるんだ!


実数の限界と虚数単位の導入

伊澤: さあ、富澤!もしXが実数だっていう条件の下だったら、「Xの2乗」って、必ずどうなると思う?


富澤: Xを2回かけるんですよね…えーと、プラスか、0になりますね!マイナスになることは絶対ない!


伊澤: そう!よく分かってるな!Xの2乗は、どんな実数でも、必ず0以上になるんだ!


富澤: はい!


伊澤: じゃあな、富澤。もし俺が「2乗したらマイナス3になる数を見つけてください!」って言ったら、お前どうする?


富澤: えー…無理っす!そんなのないっすよ!だって、2乗したら絶対プラスか0になるんでしょ?


伊澤: その通り!「実数の範囲」では、そんな数は存在しないんだ!でもな、ここで立ち止まってちゃ、科学は進歩しないんだよ!


富澤: (ゴクリと唾を飲む)


伊澤: だからな、ここでさらに数の範囲を広げようじゃないか!どんな2次方程式でも、常に解を持つようにしたいんだ!


富澤: でも、2乗してマイナスになる数なんて…


伊澤: そこでだ!無理を承知で、こう考えたんだ!「2乗するとマイナス1になる新しい数」を考え出そうと!


富澤: (驚いて)えぇーっ!?そんな都合のいい数、あるんすか!?


伊澤: あるんだよ!そして、その数をこんな記号で表すんだ!


(黒板に「i」と書く)


富澤: 「i」!?アルファベットの「アイ」っすか?


伊澤: そう!この「i」はな、「2乗するとマイナス1になる」って定義するんだ!今までの常識とは全然違うだろ?


富澤: 確かに!常識がボヨヨ~ンってなりましたね!


伊澤: この「i」のことを「虚数単位きょすうたんい」って言うんだ!「きょ」っていうのは、「じつ」に対して使われる言葉だ。「実像と虚像」って言うだろ?実数に対して、新しい「虚数」の世界が始まるんだ!


富澤: なんだかロマンがありますね!


伊澤: そう!この虚数単位「i」を定義することで、「2乗すると負の数になる数」っていう、さっきまで「無理だ!」って言ってた数も扱えるようになるんだぞ!


富澤: じゃあ、さっきの「Xの2乗=マイナス3」も、この「i」を使えば解けるようになるってことですか!?


伊澤: そうだ!それはまた今度教えてやるが、まずは「iの2乗=マイナス1」!この意味で「i」が「虚数単位」として定義されたんだ!ってことを頭に入れておけよ!


富澤: 2乗するとマイナスになる世界か…なんか、ワクワクしてきました!


伊澤: だろ!これで、お前もまた一つ、新しい数の扉を開いたんだ!今日の授業はここまで!


富澤: ありがとうございましたー!


伊澤: どうもー!

(二礼三拍手)



ソース







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ