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98.支度
いつになく緊張している私は、ユミさんによって、お着替えの真っ最中だ
(なんだか、めっちゃ入念に着飾ってる気がするんですが、なんで?)
繊細な刺繍があしらわれた薄ピンクのドレスを着せられる
いつも身につけている、カイリ殿下に頂いたペンダントは、そのドレスにとてもマッチしていた
普段は身につけないアクセサリーもつけられ、髪もつやつやに整えられた
やはり、何かある。そんな気がする
最後の晩餐ってやつか?
最後くらい記念に着飾って、ってやつか?
先程芽生えた謎の正義感により、警戒心が明後日の方向へ向かっていることに気づかないまま、私は支度を終えて、2人の訪れを待った