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97.エリちゃん2

「私は元々街外れの施設におりました。そこには、身寄りのない子供を保護するという名目で運営されていた施設でしたが、実態は魔術に使うための子供が養われているというものでした」


「そんなところがあるの!?」


「今は解体されましたが、当時私はストレスを与え続けて体内に負の魔力を満たした状態で、黒魔術の触媒として使われるためにその施設で過ごしていたのです」


黒魔術って……


「私は連日、過大なストレスをかけられ、負の魔力に満ち溢れた状態で、後は術に使われるのを待つばかりの状態でした。怖くなって施設を逃げ出し、引き戻されそうになる所をみさき様に救われたのです!」


「え?どこで??!」


「私は街中に逃げ込みました。人をかき分けて逃げました。ですが、見つかってしまって……。体も自由に動きませんし、躓いて転んでしまい、後は捕まえられて引き戻されるだけ、と覚悟した時に手を差し伸べてくれたのがみさき様でした」

「ただ転んだ私に手を差し伸べてくれただけだったと思います。ですが、そのお手に触れた時、私の中に満ち満ちていた重くて苦しい負の魔力が消し飛んだのです」


記憶を探る

お姉様と街を歩いたことはあるかもしれない

その時……あ……

あの時の女の子、エリちゃんだったんだ


「私はその後施設に引き戻されましたが、魔力が浄化されていたので、『使えない』と、他の施設に移されました」

「その後、みさき様に見た目の雰囲気が近いことから、このお役目を与えられ、施設から引き取られた私は、こちらでみさき様のお世話をさせていただいております」


何気なく伸ばした手の先に、人の人生を変えてしまうことが起こる

それが、その人にとって良い結末になるかどうかは分からないけど、その時のエリちゃんを救えたのなら良かったのかもしれない


でも、私の身代わりになるって、それはどうなの?結局辛い人生を歩むきっかけを作ってしまったのでは?


そんな疑問が私の中で沸いた


「エリちゃん!エリちゃんは私が守るからねっ!!!」


私の中に沸いた謎の正義感

私が変えてしまった人生を私が壊す訳にはいかない


エリちゃんはなんか不思議そうな顔をしてるけど、私は、ちょっと方向を間違えたかもしれない正義感を片手に、カイリ殿下とトキ殿下の到着を待った


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